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M5 Pro Mac miniを本気で試した、M1 Maxから買い替える価値はある?【先行レビュー】

リンクマン
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9月22日に発売される新型Mac mini。今回ひと足先に試す機会を得たので、レビューをお届けする。

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今回のMac miniには、149,800円からのM6モデルと、299,800円からのM5 Proモデルがある。今回借りたのは後者で、18コアCPU/20コアGPU、24GBユニファイドメモリ、1TB SSD、2.5Gb Ethernetという構成。価格は389,800円だ。

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M6 Mac miniは最新のチップを搭載しているが、M5 Proの方が明らかにパワフルで、メモリ帯域は307GB/s(M6は最大170GB/s)、GPUは20コア、Thunderbolt 5に6Kディスプレイ3台。同じ筐体だが中身は「Pro」の名前どおりで、M6では足りない人のためのモデルだ。その上にはMac Studioがあるが、あちらは価格も含めてもう一段上の話になる。

では、このM5 Pro Mac miniはどのような人に向いているのか。もちろん、動画編集での実力は気になる。ただ今回はそれだけでなく、ローカルAIと、外出先から自宅のMacを使うリモート運用についても検証した。

デザインのアップデートはなし

筐体は前モデルから変わっていない。約12.7cm四方で、M5 Proモデルの重さは約730g。背面にはThunderbolt 5ポートが3つ、HDMI、2.5Gb Ethernetを備える。前面にはUSB-Cポートが2つとヘッドフォン端子。電源は内蔵されているので、電源ケーブル1本で使える。電源ボタンは相変わらず底面だ。

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有線LANは2.5Gb Ethernetが標準で、購入時に10Gb Ethernetへ変更できる。今回は動画編集や書き出しを何度も行ったが、ファンが唸りを上げるような場面はなく、動作音はほとんど気にならなかった。

動画編集の実力は?

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僕にとって一番の関心事は動画編集だ。5年前に購入したM1 Max MacBook Proは、今でも編集のメインマシンとして使っている。これより遅いのであれば、買い替え候補にはならない。まずは、普段の使い方に近い動画の書き出しから試した。

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スペック表を見ると、M5 ProのビデオエンコードエンジンとProResエンコード/デコードエンジンは、それぞれ1基。手元のM1 Maxはそれぞれ2基あり、GPUコア数も20対32でM1 Maxのほうが多い。そのため、書き出しでは今でもM1 Maxが有利だと予想していた。

DaVinci Resolveで、同じプロジェクトを同じ設定で書き出して比較した結果が下の画像だ。

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結果を見ると、平均ではM5 Proが約4秒上回ったものの、実質的にはほぼ同等だった。メディアエンジンの数で不利なM5 Proが同等以上の速度を出したのは驚きだ。M5 ProではGPU自体の性能も大きく向上しており、エフェクトを重ねた今回のプロジェクトでは、その進化が効いたと考えられる。

ローカルAIマシンとしてのMac mini

2つ目の使い道がローカルAIだ。ChatGPTやClaudeのようなAIをクラウド経由で使うのではなく、自分のMacの中で動かす。LM Studioという無料アプリを入れ、モデル(AIの本体となるファイル)をダウンロードすれば、チャット画面からすぐに使い始められる。

クラウドAIがこれだけ便利な時代に、あえて自分のMacで動かす理由は大きく2つある。一つは、書類や写真といった手元のデータを外部のサーバーへ送らずに処理できること。もう一つは、モデルを一度用意すれば、月額料金や回数制限を気にせず使えることだ。

前者について、少し補足しておきたい。クラウドAIに契約書を貼り付けることは、その契約書の内容を外部事業者のサーバーへ送ることでもある。データの保存期間やAI学習への利用は、サービスやプラン、設定によって異なる。学習に使わないプランもあるが、秘密保持契約や社内規定によっては、外部サービスへ送信すること自体が問題になる可能性もある。

クラウドAIが危険だと言いたいわけではない。普段使いでは非常に便利だ。ただ、機密性の高いデータを扱うときに、データの保管場所や処理方法を自分で管理しやすいことは、ローカルAIの大きな利点になる。

では、M5 Pro Mac miniでどのくらいのモデルを動かせるのか。ローカルAIはモデル本体に加えて、会話の内容などもメモリ上で処理するため、動かせるモデルの大きさは主にメモリ容量で決まる。今回のレビュー機は24GBメモリで、Googleの「Gemma 4 26B-A4B」(今回使用した4bit版は約15.6GB)が、余裕を残して動かせる現実的な選択肢だった。

より大きな「Gemma 4 31B」は、今回試したファイルで約22.7GB。LM Studioではメモリ不足と表示され、読み込めなかった。メモリはmacOSやほかのアプリにも使われるため、搭載容量のすべてをAIモデルに割り当てられるわけではない。最大64GBのメモリを選べば、より大きなモデルや長い文書も扱いやすくなる。

実際に僕が試して「これは使える」と感じた場面を2つ挙げる

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一つ目は、契約書の確認だ。3ページの業務委託契約書を読み込ませ、「自分に不利な条項を重要な順に挙げて」「第10条の違約金は具体的にいくらになる?」「修正をお願いするメールを書いて」と、続けて3回質問した。返ってくる内容がクラウドAIより賢いわけではない。ただ、契約書という外部へ出しにくい書類を、手元のMacだけで処理できる。もちろん、AIの回答だけで契約内容を判断せず、最終的には自分や専門家が確認する必要はある。

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二つ目は、確定申告の下準備だ。1年分のカード明細CSVを読み込ませ、「事業経費になりそうなものを分類して」と頼む。自分のお金の流れそのものをクラウドへ上げることに抵抗がある人には向いている。

では、5年前のM1 Maxと比べるとどうか。メモリは64GB対24GB、メモリ帯域幅は400GB/s対307GB/sで、数字だけを見ればM1 Maxが上だ。実際、短い入力に対して回答を生成する速度では、M1 Maxのほうが速い場面もあった。

ところが、長い文書を読ませると結果が逆転した。AIは答えを書き始める前に、まず渡された文章を読み込む必要がある。文章が長いほど、この準備に時間がかかる。M5 ProのGPUには、各コアに「Neural Accelerator」というAI処理用の回路が搭載されている。今回の検証では、契約書のような長い文書を渡してから回答が始まるまでの時間は、M5 Proのほうが短かった。会話が続き、AIが参照する情報が増えるほど、こうした性能差も表れやすくなる。

ローカルAIは全員に必要なものではない。ただ、書類やデータを外に出さずにAIを使いたい人にとって、24GBのM5 Proはちょうどいい入口だと思う。

MacBook NeoからMac miniを使う

3つ目がリモート運用だ。M5 Pro Mac miniはかなりパワフルだが、持ち歩くことはできない。それでも外出先からこの性能を使いたいなら、自宅のMac miniへリモート接続する方法がある。

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組み合わせたのは、MacBook NeoとTailscaleだ。Tailscaleは、離れた場所にある自分の機器同士を、あたかも同じ家のWi-Fiにつながっているように接続できるサービスだ。個人向けの無料プランがあり、両方のMacにアプリを入れて同じアカウントでログインすれば、基本的にルーター側の複雑な設定は必要ない。

Tailscale経由の通信は暗号化される。画面共有では、画面の映像とキーボードやマウスの操作がやり取りされるため、元の動画ファイルや契約書をMacBook Neo側へコピーせず、自宅のMac mini上で処理できる。

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あとは、macOS標準の画面共有を使ってMac miniへ接続する。喫茶店でコーヒーを飲みながら、MacBook Neoから自宅のMac miniでDaVinci Resolveの書き出しを始めたり、LM Studioに契約書を読ませたりできる。MacBook Neoは画面とキーボードの役割を担い、実際の処理は自宅のMac miniが行う。

こうした運用ができるなら、Mac miniという選択肢はかなり現実的になる。操作感は自宅と外出先の回線速度や遅延に左右されるため、どこでもまったく同じとはいかない。それでも、外出先から自宅の作業環境と処理性能を使えることは、デスクトップMacを選ぶ理由の一つになると思う。

MacBook Proを買うか、Mac miniを買うか

比較対象になるのはMacBook Proだろう。同じ18コアCPU/20コアGPUのM5 Pro、24GBメモリ、1TB SSDを搭載した14インチモデルは459,800円だ。

Mac miniとの差額は7万円。この差額には、ディスプレイ、キーボード、トラックパッド、カメラ、スピーカー、バッテリー、そしてどこへでも持ち運べる機動力が含まれている。正直、差額としては思ったより小さい。

一方、すでにディスプレイやキーボードを持っていて、基本的に置いたまま使うのであれば、同等の処理性能を7万円安く手に入れられる。2.5Gb Ethernetを標準で備えていることも、デスクトップとしては使いやすい。それが、この製品の一番わかりやすい価値だと思う。

だから、Macを1台だけ持ち歩いて完結させたい人には、このモデルはおすすめしない。7万円を足してMacBook Proを買ったほうがいい。ブラウザと書類仕事が中心なら、M6 Mac miniで十分だろう。M6モデルとM5 Proモデルの開始価格には15万円の差があるので、その予算をほかのことに使ったほうがいい。

逆に、動画編集や写真現像でM6では物足りない人、持ち歩くノートは軽くして重い処理は自宅に任せたい人、自分の書類をクラウドへ上げずにAIを使いたい人には、これ以上ないほど据わりのいい一台だと思う。

僕自身、M1 Max MacBook Proからの買い替えについては、かなり悩んできた。ただ、実際のところ、外出先で凝った動画編集をする機会はそれほど多くない。そう考えると、自宅では快適に使えて、必要なときには外からも接続できるM5 Pro Mac miniは、かなり有力な選択肢だと感じている。