Googleは8月12日、折りたたみスマートフォンの新モデル「Pixel 11 Pro Fold」が発表した。同時に発表されたPixel 11/11 Pro/11 Pro XLについては別記事でレポートしているので、本稿では「Pixel 11 Pro Fold」に絞ってお伝えする。
これに先立ちGoogleは事前説明会を開催した。そこに登壇したのはGoogle Pixel プロダクト マネジメント シニアディレクターのピーター・プルナスキー(Peter Prunuske)氏。Googleは本機を「Google史上最も洗練された折りたたみスマートフォン」と位置づける。その根拠は派手な新機能ではなく、軽さ・薄さ・タフさという折りたたみの弱点を地道に潰してきた点にある。
10%軽く、約1mm薄く
Pixel 11 Pro Foldは、前モデルのPixel 10 Pro Foldと比べて約10%の軽量化と約1mmの薄型化を実現した。実寸は折りたたんだ状態で厚さ10.1mm、広げた状態で5.0mm、重量は239g。ベゼルもさらにスリムになり、手にもポケットにも収まりがいい。カラーは定番のObsidianと、鮮やかなアクセントの新色Oliveの2色展開だ。
象徴的なカメラバーには、Proシリーズ共通の新機能「HiLight」が加わった。フラッシュ周囲のLEDが色分けされた光で、大切な人からの着信やGeminiとの会話状態を伏せたまま知らせてくれる。今後はお気に入りの連絡先からのメッセージ通知など、機能を順次追加していく予定だという。
耐久性は「3倍」
折りたたみ機の宿命である耐久性には、今回もっとも力が入っている。背面にはひび割れに強い設計の新しい複合素材バックカバーを採用。インナーディスプレイを保護する新開発のギアレスヒンジと、極めて頑丈なセラミックカバーガラスの新しいSuper Actuaディスプレイを組み合わせることで、強度は前モデル比3倍に達し、Google史上最も耐久性の高いPixel Foldになったという。防水防塵は引き続きIP68準拠だ。
ディスプレイは内外とも底上げ
カバースクリーンは6.5インチのSuper Actuaディスプレイで、カバーガラスには折りたたみとして初のガラスセラミック素材を採用した。開いた内側は8インチのSuper Actua Flexディスプレイ。新ヒンジは折り曲げ半径を大きく取り、インナーディスプレイのガラス層を厚くしたことで、折り目もより目立ちにくくなった。輝度は内外ともピーク3,600ニトで、前モデルから20%明るくなっている。
中身はTensor G6+全構成16GB メモリ
チップは他のPixel 11シリーズと共通のTensor G6で、セキュリティチップも同じく新しいTitan M3を搭載。メモリはストレージ構成(256GB/512GB)を問わず16GBを積む。バッテリー駆動は24時間以上で、有線は30W充電で約30分で最大50%まで充電できる。ワイヤレス充電は最大25W(Qi2.2認証)に対応し、前世代のFoldより20%高速になった。OSはAndroid 17で、アップデートは7年間提供される。
カメラは新しい48MP広角(光感度56%向上)、10.5MPウルトラワイド、10.8MPの5倍望遠のトリプル構成で、最大30倍の超解像ズームに対応。前面と内側にそれぞれ10MPカメラを備える。シリーズ共通の新機能であるマジック キャプチャーやカメラスタイルも利用できる。
大画面を活かすマルチタスク強化
ソフトウェア面では、大画面向けのマルチタスクが強化された。あらゆるアプリを吹き出しのように表示できるバブル機能がFold向けに最適化され、本体を開いた状態では画面右下に配置されて素早くアクセスできる。ドラッグ&ドロップ、分割スクリーン、インスタントビューといった折りたたみ限定の機能は引き続き利用でき、「こっちを見て」機能には2つの新しいアニメーションが加わった。細部まで折りたたみならではの体験を磨いてきた印象だ。
価格は279,900円から
価格は279,900円(256GB)、512GBモデルは299,900円(いずれも税込)。ストレージ構成を問わず16GB RAMが載ることを考えれば、プレミアム路線を崩さずに中身を底上げしてきた格好だ。予約販売はオンラインが8月12日、店頭が8月13日に始まり、発売日は8月20日。販売はGoogle Storeのほか、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクからも行われ、今回初めて一部量販店でもSIMフリーモデルを購入できる。
購入特典はYouTube Premium 3ヶ月無料(未登録者のみ)とGoogle AI Proプラン6ヶ月無料。Google Storeでは9月4日までの発売記念キャンペーンとして、対象スマホの下取りとストアポイント49,900円分の付与で実質最大147,600円分お得になるほか、全スマホ機種の下取り額を2万円以上増額中だ。保護性能を高めるヒンジカバー一体型の純正ケース(12,710円)も用意され、こちらは一足早くオンラインで8月12日、店頭で8月13日に発売される。
なぜ、Googleは同じ形を続けるのか
事前説明会の質疑応答では、フォームファクターに関する質問が投げかけられた。市場では折りたたみスマホの新しい形としてパスポートサイズが出てきているが、Pixel Foldはなぜ3世代にわたって同じ型を続けるのか、という質問だ。
プルナスキー氏は、Googleがフォルダブルで目指しているのは「妥協しない」ことだという。高価な折りたたみ機だからこそ、Proレベルの体験を削るわけにはいかない。プロ級のカメラには3つのカメラモジュールが必要で、1日持つバッテリーも、十分なパフォーマンスも譲れない。閉じているときは普通のスマートフォンのように使え、プロレベルのカメラとIP68の防水防塵を備え、大画面が欲しくなったら開けばいい、それが現在のデザインに注力する理由だ。
一方で同氏は、AIの進化によって人とスマートフォンのコミュニケーションが変われば、フォームファクターも変わりうる可能性には言及したうえで、「確かな自信を持っている」とも語っていた。