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指輪型ボイスレコーダー「Vocci」日本上陸発表会レポート

リンクマン
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9月25日、東京・六本木でAIリング「Vocci(ヴォッチ)」の日本上陸発表会が開かれた。開発元はシンガポールに本社を置くGyges Labs。国内ではフォーカルポイントが取り扱い、9月30日11時からGREEN FUNDINGでクラウドファンディングが始まる。

指輪型のスマートデバイスというと健康管理のスマートリングを思い浮かべるが、Vocciは心拍も睡眠も測らない。やることは会話やアイデアの録音と、AIによる文字起こし・要約。「指輪型のボイスレコーダー+AI要約」と言えばだいたい合っているが、開発元が語る位置づけはもう少し大きい。

何をするデバイスなのか

Vocciの発想の出発点は「AIは世界のことは詳しいが、あなたのことは知らない」という点にある。AIは世界中の情報を知っているが、今日誰と話し、何を決め、何に興味を持ったのかは知らない。カメラロール、カレンダー、メール、SNSと日常はすでに断片的にデジタル化されているものの、それぞれが散らばっていて、AIに渡せるのはチャットで手打ちした限られた情報だけだ。

Vocciは、現実世界での会話や出来事をAIに届ける「リアルワールドコンテクストレイヤー」を担う。指先で日常を記録し、AIが整理した結果を現実の行動に戻す。この一巡を同社は「ループ」と呼び、スローガンを「Wear the Context. Loop in Real Life」としている。

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本体は航空宇宙グレードのチタン製。ブラックとシルバーの2色があり、防塵防水はIP67で、着けたまま手を洗え、シャワーも大丈夫だ。バッテリーはリング単体で最大8時間。付属の充電ケースで3回フル充電でき、合計で最大32時間使える。急速充電にも対応する。

リング単体にストレージを内蔵しているため、スマートフォンとペアリングしていなくても録音できる。マイクは高感度で、会議室で5メートル離れた声も拾えるとしている。対応言語は100以上で、日本語と英語が混ざった会話もそのまま文字起こしできる。

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発表会ではフォーカルポイントの田中氏が製品について説明をした

操作は人差し指に装着し、親指で行い、ダブルクリックで録音の開始/停止。録音中にシングルクリックでハイライト(重要な場面にマークを付ける)。長押しでVocci独自のAIを呼び出す。

録音はユーザーがボタンを押したときだけ行われ、勝手に記録が始まることはない。録音中かどうかはLEDで周囲にも示される。

録音→文字起こし→要約→MCPで連携

録った音声はスマートフォン経由でサーバーに送られ、Vocci AIが文字起こしと要約を行う。要約は「概要」「トピック」「チャプター」「キーポイント」「ToDo」「未解決事項」「決定事項」「過去のメモリを踏まえた分析」に自動で整理され、Markdown形式でエクスポートできる。音声ファイルと文字起こし全文もテキストで書き出せる。このあたりの精度は高くVocci AIの質の高さが窺える。

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ChatGPTからVocciの内容にアクセスすることも可能

外部AIとの連携はMCP(Model Context Protocol)で行う。ChatGPTやClaudeからVocciのサーバーに接続し、過去の記録を検索して参照できる。Google Calendar、Gmail、Outlookなどとも同期でき、Google Calendarとの接続設定はVocci AIが対話で案内してくれる。

データはローカルで暗号化され、サーバーへの同期はユーザーが設定で管理する。GDPRに準拠し、SOC2レポートは申請中で来年取得予定とのことで、データプライバシーについてはかなり真剣に取り組んでいるようだ。

リングの価格と月額プラン

本体の希望小売価格は49,990円。サブスクリプションは3段階で、無料プラン、月額3000円のPlusプラン、月額6,000円のProプランが用意される。

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クラウドファンディングでは、本体に加えて指のサイズを測るサイジングキットを先に送付し、サイズを確認したうえで改めて注文する流れになる。Proプラン1か月分(通常6,000円)も付いて、29,990円から。実質最大43%オフとなる。

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Gyges Labsのドミンゴ COO

発表会に登壇したのは共同創業者でCOOのドミンゴ氏。Gyges Labsは2022年設立で、社名はプラトン『国家』に登場する「ギュゲスの指輪」に由来し、製品名は「Voice」から来ている。創業者4名のうちCEOとCTOはスタンフォード大の博士号を持ち、CTOはAppleでApple Vision Proの開発に携わった経歴があるという。チーフサイエンティストは元Googleのシニアリサーチサイエンティスト。ハードウェア、AI、製造を一社で持つ体制だ。

アメリカではD2Cで展開してきたが、日本ではフォーカルポイントとGREEN FUNDINGを通じたB2B2Cを選んだ。理由としてドミンゴ氏が挙げたのは、日本のユーザーが製品品質だけでなくプライバシー、信頼性、長期のアフターサービスを重視すること。フォーカルポイントの37年の実績と、十数年前の製品でもサポートを続けている姿勢が決め手だったという。

質疑応答では、録音デバイスは急速に増えてきているが、他と何が違うのかという質問があったが、それに対してドミンゴ氏は「指は今まで空いていた部分」と述べ、ペンダント型やクリップ型は録音しているかどうかが相手に分かりにくいが、指輪は自然と目に入ることがポイントだと話していた。

指輪型のデバイスは最近かなり多く出てきているが、冒頭にも書いたように健康管理を目的にしたものが多い中、ボイスレコーダーに特化するという点で新鮮味がある。身につけるという点でも違和感は少ないし、AIボイスレコーダーの新しい置き場所、身につける場所として指輪型は注目を集めるかもしれない。