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スマホケースの次は「パフォーマンスギア」。TORRAS日本上陸10周年で事業戦略と新製品を発表

リンクマン
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スマートフォンアクセサリーブランドのTORRASが9月29日、東京都内で「TORRAS 新製品体験会および事業戦略発表会」を開催した。テーマは「日常の動きを変えるパフォーマンスギア」。日本市場への参入から10年という節目にあわせ、同社がプレス向けにブランドの来歴と今後の方針をまとめて語るのは今回が初めてとなる。

登壇したのは、日本法人である楽創未来株式会社代表取締役の孔燕(コウ・エン)氏、製品開発チーム代表の牛瀫雨(ギュウ・ショウウ)氏、ブランドマーケティングディレクターの項振宇(コウ・シンウ)氏の3名。いずれも中国語でのプレゼンテーションで、会場には同時通訳のモニターとスマートフォン向けのリアルタイム翻訳が用意されていた。

Amazonから始まった10年。実店舗は40店超へ

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孔氏が振り返ったのは、TORRASの日本での歩みだ。同社は2016年に海外展開を開始し、米国・日本・英国・ドイツに同時参入。当初はAmazonを通じた直販が中心で、2017年から2020年にかけては毎年倍増のペースで成長したという。2023年には主力のスマートフォンケースがAmazon日本のカテゴリー上位に定着し、iPhoneの新製品発表の時期にはシェア1位を取ることも多いと説明した。

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同じ2023年に保護フィルムと充電製品を日本に投入し、保護フィルムは2025年にAmazon日本でトップ3の常連になった。並行して実店舗への展開も始め、ヨドバシカメラとビックカメラの10店舗からスタートした取り扱いは、現在この2チェーンだけで40を超える重点店舗に広がっている。さらにKDDI、エディオン、ノジマといったチャネルにも参入し、今年はNTTドコモの取り扱いも始まった。

孔氏はこの10年を「ブランドが消費者に製品を売った10年ではなく、互いに理解し、育ててもらった10年」と表現した。日本のユーザーは細部に敏感で、良い点だけでなく改善点も丁寧に伝えてくるという。それが「もっと良くできないか」を問い続ける同社の文化と噛み合った、というのが同氏の見立てだ。

「低価格では戦わない」。東京に拠点、日本発の製品開発も

今後の方針として孔氏が強調したのは2点。ひとつは「市場で売れているものを安く作って競争する」路線は取らず、イノベーションと高品質で「消費者が感じ取れて、払いたくなる価値」をつくるという姿勢だ。

もうひとつは日本への投資の強化で、東京・築地に独立したオフィスを構え、販売・店舗運営・マーケティングの現地スタッフを採用中だという。将来的には日本の製品・デザイン人材を迎え、「日本チームが売るだけでなく、製品づくりに参加する」体制を目指すとした。

ケースを「支点」にする。3mmの中に8層

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製品開発チーム代表の牛氏は、TORRASの代表的な製品であるスタンド一体型ケースの開発経緯を語った。発端は2020年頃、スマートフォンで動画を見る、記録する、仕事をするという時間が長くなり、持ち続ける手の疲れがユーザーの課題として浮かび上がったこと。「ケースそのものが支点になれば、生活が楽になるのではないか」という着想から2年をかけて概念を練り上げたという。

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一見シンプルなケースだが、内部は8層構造を厚さ3mmに収めている。スタンドの耐久性は1,000トンのプレス機で繰り返し検証し、部品精度は0.02mm以内、回転軸のベアリング径は1.2mm。こうした積み重ねの結果、スタンド一体型ケースは6年で累計2,000万個を超え、同カテゴリーで世界1位になったと説明した。

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2019年の77度から37度へ。充電器の表面温度の推移

充電器についても同じ発想で語られた。2020年にiPhoneから充電器が同梱されなくなった一方で、急速化とともに発熱への不安が増している。TORRASは「低温」を軸に据え、当初77度あった表面温度を今年のモデルで37度まで下げてきた。人の肌の温度に近い37度を目標に、7年かけて改良を重ねたという。モバイルバッテリーについては中国のもっとも厳しい安全基準をクリアしたこと、またネックファンを2020年に手がけ、日本でも好評だったことに触れた。将来の日本投入候補として、山にかかる雲が流れ落ちる様子をモチーフにした「観賞用アロマディフューザー」の存在も紹介された。

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巻き取り式ケーブルを内蔵した充電製品も「使いやすさ」の文脈で説明された

スマホケース3.0が変える「人と自分、人と他人、人とデバイス」

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「自分との関係」「他者との関係」「デバイスとの関係」の3つ

ブランドマーケティングディレクターの項氏が語ったのは、製品が生活に入った後の話だ。TORRASは社内で「新しい生活様式をつくるのではなく、すでにある生活に入り込み、使ったら戻れない体験を届ける」と言っているという。

同社はスマートフォンケースの歩みを3段階に整理している。1.0は本体を守るためのケース、2.0はデザインで自分を表現するケース、そして3.0が「人とスマートフォンの関係を変える」ケースだ。スタンド一体型ケースの機能を「立てる、吸い付ける、掛ける」の3動作にまとめ、ユーザーが感じるのは「スマートフォンをどこにでも置けて、両手が自分に戻ってくる」ことだと説明した。

具体的な場面として挙げたのは3つの関係だ。ひとりで走る、練習する、旅をするときに人に頼まず多角度で記録できること(人と自分)。家族写真で「撮る人」がいつも写れない問題を、ケースを立てるだけで解消できること(人と他人)。料理中にレシピを立てておく、冷蔵庫に貼り付ける、会議中にちょうどいい角度で置くといった、人が機器に合わせるのではなく機器が人に合わせる関係(人とデバイス)。

「アルキメデスは支点があれば地球を動かせると言ったが、我々は生活に支点を与えて、見過ごされてきた日常の瞬間を動かしたい」というのが項氏の言葉だ。中国のSNSではこの撮影スタイルに関する話題が1億回を超える露出になっているという。

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充電製品でも考え方は同じで、「Black Ice」低温設計、「FlashEye」のディスプレイが持つ情緒的な役割、2-in-1・3-in-1の携帯性を、スペックの積み上げではなく「負担を減らす」という軸で説明した。

「Performance Gear」として、都市・スポーツ・アウトドアへ

今後のブランド展開については、都市で通勤しながら週末はアウトドアへ向かい、テクノロジーもデザインも服装も気にかける「多面的な生活を送る人」をターゲットに据える。Urban、Gadget、Outdoorが同じ一人の中に交わっている、というのが「Performance Gear」という位置づけの出発点だという。

中国では今年、フィットネス競技HYROXに協賛し、米国ではクライマーやアーティストと協業。日本ではすでにトレイルランや野球、学生イベントの現場に出ているとし、今後は「都市の日常に入る」「スポーツ・アウトドアに入る」「使う人の実体験を伝える」の3つを強化する。

製品面では、今後半年から2027年にかけてより多くの製品群を日本に投入する予定だ。環境面では植林団体WeForestと協力し、世界で1万本以上の植樹と8ヘクタールの森林再生を支援しているという。ブランドの主張として掲げたのは「Be Heard Now」だった。

新製品。iPhone 18 Pro対応ケースとAVS対応の充電製品

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プレゼンテーション後は各テーブルでスタッフが新製品を説明する形式で、iPhone 18シリーズ対応のケースと充電製品が並んだ。

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ケースは、ゼンマイ式の回転スタンドと「エアバッグ」構造で5mからの落下に耐えるフラッグシップ「Ostand Q3 Air Pro」(12,380円)、スタンダードの「Ostand Q3 Air」(9,880円)、半透明のバイカラーモデル「Ostand O3 Hue」(8,280円)、シリコンレザー素材の「Ostand Q3 レザートーン」(8,480円)。レザートーンには有機シリコン素材の「自然シリーズ」(苔庭・グリーン、風紋・イエロー)が加わり、10月15日ごろの発売予定で先行予約を受け付けている。

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充電製品では、ディスプレイに機種名や出力、バッテリー残量を表示し、タッチで表情が変わる45W充電器「FlashEye Dot」(8,999円)、半固体電池を採用した薄型マグネット式モバイルバッテリー「MiniMag Pro」(10,999円、ワイヤレス最大7.5W、10,000mAhでカラビナと75cmの巻き取り式USB-Cケーブルを一体化した「PackGo Cube」(14,990円、最大45W、約249g、10月より順次発売)、1mの巻き取り式ケーブルを内蔵した60W充電器「FlexLine Pro」(8,999円)が展示された。

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FlexLine ProはAVSに対応しており、スタッフは「iPhone 18の発表でAVSという言葉が出たが、こちらはすでに搭載済み」と説明していた。PackGo Cubeは本体の半分が巻き取りケーブルのモジュール、半分が充電モジュールという分割構造で薄さを出している。

発表会全体を通して繰り返されたのは、「価格ではなく、ユーザーが感じ取れる価値で選ばれる」という方針と、ケースを「守るもの」から「人とスマートフォンの関係を変えるもの」に再定義するという整理だった。Amazon発のブランドが実店舗40店超、東京のオフィス、現地採用、そして日本発の製品開発へと踏み出す流れは、日本市場をテスト市場ではなく腰を据える市場と見ている証左だろう。半年から2027年にかけて予告された製品群が、この整理をどこまで形にするかに注目したい。