
FMVブランドを展開する富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、デスクトップ向けキーボード「FMV Keyboard X」を発表した。本日よりGREEN FUNDINGにて支援が始まっている。
今回はそれに先立ち開催された発表会に参加してきたので、製品の詳細と、そこに込められたこだわりをレポートしたい。
「日本の暮らし」を起点にしたキーボード

発表会ではFCCLのキーボードマイスター藤川英之氏が製品発表を行なった。
FCCLは昨年1月にブランドリニューアルを実施。「シンプルでわかりやすいこと」「時代に合った価値観であること」「日本の暮らしを応援すること」の3つを柱に掲げ、アクセサリー製品の新たなコンセプトとして「Lifetime Comfort」を定義した。FMV Keyboard Xは、パソコンのある日常を快適にする道具として省スペース・時間効率・使いやすさを最大化すべく開発された、その第一弾という位置づけだ。

日本の限られた作業スペースを意識した設計も、そこから来ている。約60cmほどの机の上で、ノートパソコンを奥に置き、手前にキーボードを配置して使う。そういうリアルな使い方を想定して、省スペースを徹底的に追求した。基板の端から約1.4mmの位置までスイッチを攻め込むなど、内部構造を限界まで追い込んだという開発エピソードからも、その本気度が伝わってくる。
磁気スイッチ × 静音 ー この組み合わせが業界でほぼ存在しなかった

技術的な核心にあるのが、独自開発の磁気スイッチだ。ホールセンサータイプで0.1mm単位でアクチュエーション位置を調整でき、押したらON・離したらOFFを即座に判定する「ラピッドトリガー」機能を実装。リニア特性やNキーロールオーバーと組み合わせることで、思考とキー入力のタイムラグを限りなくゼロに近づけている。

さらに、この磁気スイッチで「静音化」まで実現しているのが特筆すべき点だ。「家の中でガチャガチャやってて何も言われない人っているんですかね」という藤川さんの言葉が印象的だった。自分の打鍵音より、周りへの影響を気にするあの感覚はよくわかる。

対策は二段構えで、スイッチ内部の静音機構による底突き音と戻り音の低減、そして筐体内部の空間をガスケットマウントで埋めることによる反響音の低減。実際に試打した参加者の間では「コトコトとした音」という表現が自然に出ていて、確かにその通りの感触だった。
FMVのDNAを継承したJIS配列とカーソルキー

FMV Keyboard XがFMVブランドのキーボードである以上、譲れないこだわりがある。それが「かな刻印なしのJIS配列」と、使い慣れたカーソルキーの配置だ。

一般的なメカニカルキーボードでは、コンパクト化のためにカーソルキーが変則的な位置に追いやられているものも少なくない。しかし本機では、「カーソルキーは日本人はかなり使う。あそこにあると使ってられないんじゃないかと思って」という藤川さんの言葉通り、指で触れるだけで場所がわかる標準的な独立配置を実現している。磁気スイッチのサイズや配置を何度も変えながら、このカーソルキーの位置を守ることを最優先で調整してきたという。
キートップには武蔵塗料の「ネオラバサン」シリーズのソフトフィール塗装が施されており、指が滑りすぎず、摩耗や皮脂によるテカリにも強い仕上げになっている。カーソルキーも触れた感触で場所が分かる設計で、「視覚より触知で分かる」という体験設計への一貫したこだわりがある。
3種類のプリセットで自分好みに
打鍵設定は、FMVキーボードマイスター監修による3種類のプリセットが用意されている。

- おすすめ入力:FMVノートパソコンと同様の押下感をキーボードで再現したスタンダード設定
- ハード入力:深く押し込んで確実に入力したい人向け
- ライト入力:軽い力で素早く入力したい人向け
さらに後日提供予定のWindows向け専用アプリでは、キーごとの細かな設定やキーマップ変更、最大50キーまでのマクロ(メモリーキー)登録も可能になるという。なお発表会で展示されていた試作機はファームウェアバージョン0.1という段階で、「これからチューニングを入れていく」という話だった。自分の入力スタイルに合わせて育てていけるキーボードに、完成形でなっていることを期待したい。
カラー・付属品・展開予定
カラーはミニマルなデザインに馴染む「オールブラック」と「オールホワイト」の2色。接続はBluetooth(マルチペアリング対応)のほか、専用USBレシーバー(Type-A)とUSBケーブル(Type-A to Type-C)にも対応する。また、グレーの交換用キーキャップと引き抜き工具が標準で同梱されており、自分好みのカスタマイズを楽しめる仕様になっている。
クラウドファンディングの募集期間は4月8日〜6月12日、発送は9月中旬〜9月末の予定。蔦屋家電や蔦屋書店など一部店舗でも順次実機の展示が行われる予定となっている。
