全国のApple Storeで毎日行われている無料セッションToday at Apple。ガジェタッチでは今まで何度かセッションを取材しているが、今回は10月12日にApple丸の内で行われた「ワークショップ:モンストの10周年を記念してiPadで人気キャラクターを変身させよう」を取材することができた。
セッションのタイトルにもあるように、今回はMIXIが提供する人気ゲーム”モンスト”こと「モンスターストライク」とのコラボで実現。キャラクターデザインも担当するデザイナーの鈴木景子さんが登壇し、モンストの10年の記憶とキャラクターデザインに込める想いを語ってくれた。
モンストに登場するキャラクターを描く際に、世界観、キャラクター設定、見た目、と同様に必ずストーリーというものが入ってくる。その中で、敵となるキャラクターは孤独や断絶といったコミュニュケーションを否定するストーリーが描かれ、一方味方のキャラクターはコミュニケーションを肯定する、友情や絆といったことがストーリーとして描かれている。
これは、MIXIのパーパス(企業の存在意義)「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」とミッション(何をすべきか)『「心もつながる」場と機会の創造』に基づいており、モンストもコミュニケーションの肯定と心のつながりをメッセージとして届けたいと考えているそうだ。
ちなみに、ルシファーのキャラデザインには1年ほどの時間がかけられているそう。もちろん全てのキャラクターに年単位の時間がかけられているわけではないが、キャラに込める想いやその過程は非常に緻密なものをが感じられる。
セッションの後半では、モンストの人気キャラクターのオラゴンに10年の記憶を載せて描いてみるというワークショップが行われた。
あらかじめ参加者に渡されていたiPadには、イラストアプリProcreateが入っていて、その中にオラゴンの5種類のイラストが用意されていた。
ここから一つを選び、参加者が体験したここ10年で印象に残っていること、人に語ってみたいほど熱くなったことを思い出してオラゴンに載せて描くという形だ。
ここで鈴木さんからモンストらしい絵を描くテクニックとして
- 伝えたいことはひとつに絞る
- リアルに書くよりデフォルメを効かせて、キャラクターの要素を際立たせる
- 画面の中に全ての要素を収める
という3つのアドバイスがあった。10年の記憶ということでたくさんのことを詰め込みたくなってしまうが、描く時間も短時間ということもあり、ひとつに絞ることで完成度が上がっていくようだ。
このセッションでは、Procreateの操作方法はもちろんのこと、絵を描く前には隣の人とペアとなり、お互いにまず10年を振り返るという時間も設けられた。話して整理することで、オラゴンに何を載せるかというのがだんだんと明確になるというような仕掛けも用意されていた。
最後は、参加者の描いたオラゴンをディスプレイに表示しての発表会。サウナハットを被ったオラゴンやルシファー風のオラゴンなど、参加者それぞれの10年が詰まった特徴のあるオラゴンが誕生していた。
ここで参加者にサプライズ。なんと自分で描いたオラゴンが、スーパーレアとして表示されるフレームが用意されていて、自分のキャラクターを配置して画像として持って帰ることができるようになっていた。これはまさにスーパーレアな体験だ。
App Storeは今年15周年。その中で国内ゲーム市場でメガヒットを記録したモンスト。今回のセッションにも多くのファンの人が参加されていたのが印象的だった。長く愛されるゲーム、そしてキャラクターデザインの裏側を垣間見ることができたのはかなり貴重な体験で、ゲームを通じてのコミュニケーションの肯定、心のつながりというメッセージ性はとても共感を覚えた。
なお、モンストは10周年の記念イベントを絶賛開催中!10年前からあるゲームではあるが、初めてやる人でもちゃんと遊べるようになっているとのことなので、安心してプレイしてみてほしい。