今回のGadgetouch Bizでご紹介する企業はDaishinMC株式会社です。世界中で増加する空気汚染や室内空気質の課題に対処するための革新的技術を提供し、国際的な注目を集める同企業は、韓国仁川に拠点を置き、産業用・公共用清掃技術に特化した製品を販売。特に「Solecheck(ソールチェック)」を中心に、空気汚染問題への新しいアプローチを提案しているとのこと。実際に本社に伺い、お話を伺ってきました。
1997年に設立されたDaishin MCは、30年以上にわたり、空気汚染や微細粉塵対策を中心とした清掃・衛生技術を開発し、工業用施設や公共施設向けのソリューションを提供してきました。環境保全を意識した製品作りが特徴で、技術効率とエコフレンドリーな設計を両立させた製品群が特徴です。
Solecheck(ソールチェック)は、靴底の埃や汚れを取り除くシステム。
靴底に付着した微細粉塵やウイルスを検知、自動的に吸引。三層のフィルターシステムで、空気清浄機とは異なるアプローチで、室内環境を守ります。ポイントは取り外しが可能なモジュール設計になっており、部品交換が容易であること。コスト削減が可能になったことで、現在は電子産業や医薬品製造のような高い清浄度が求められる現場、SamsungやPanasonicなどの大企業でも数多く採用されているそうです。
当初、産業施設向けに設計されたソールチェックですが、現在では公共施設や交通機関でも活用されるようになりました。たとえば、韓国最大の展示しせであるKINTEX、ソウル市内の地下鉄駅で導入され、実際に粉塵やウイルス感染リスクの軽減に成功しています。
実際に試してみました。
ソールチェックに乗る前の足裏をチェック。
空気で埃などを除去します。
マットで軽く吹き上げて完了。
しっかり綺麗になりました。
小さなモジュールで組み立てられているため、パーツ交換が用意で。メンテナンスが楽なのも特徴の一つです。
他にも本社内にはユニークな製品が展示されていました。こちらは産業用キャスタークリーナー。
工場や病院などで使用される輸送用カートの車輪を自動清掃する装置で、汚れを効率的に取り除きます。韓国機械研究院の試験では99.9%の清掃効率が実証されており、作業環境の清浄化に大きく寄与しているとのこと。
続いて、こちらが油水分離装置です。
同社代表である金慧子氏は飲食の現場での経験があり、食器洗いからキッチン周りを担当していた経験からこの装置を開発することを思いついたとか。食品加工時の排水から油を99.6%分離し、現場の負担を減らしながら環境への負担を軽減する技術です。この装置は、現在、飲食業界や公共施設だけでなく、潜水艦などの特殊な用途にも使用されているとか。海洋汚染を防ぎつつ廃油をリサイクルすることで、持続可能な社会への貢献を実現しています。
油分だけをしっかり分離できていますね。
DaishinMCは現在、アメリカ、日本、中国を含む11カ国で事業を展開しています。CEOの金氏は、大手日本企業での長い勤務経験を持ち、日本市場でも積極的に展開を進めています。特に、日本では「Solecheck(ソールチェック)」のモジュール設計や優れたメンテナンス性が高く評価され、国内の工場や公共施設での導入が進んでいます。
今後も各地域で深刻化する空気汚染などの環境課題に対応し、社会課題を解決するテクノロジーを積極的に展開していく方針です。