
2026年4月6日、Shokzが新しいオープンイヤー型イヤホン「OpenFit Pro」を発表した。それに合わせて開催されたメディア向け発表会では、ブランドアンバサダーを務めるサカナクションの山口一郎氏が登壇し、製品の魅力を語った。
オープンイヤー型イヤホンというジャンル自体はすでにある程度浸透してきているが、「音質が物足りない」「ノイズが多い場所では使いにくい」という声も少なくなかった。OpenFit Proは、まさにその課題に正面から向き合った製品として登場した印象だ。
グローバルで2,000万台、日本でもNo.1の実績
発表の冒頭では、Shokzのブランドとしての実績が改めて紹介された。世界60カ国・地域で累計2,000万台以上を販売し、取扱店は28,000店舗以上。5,500件以上の特許も取得しているという。

BCNランキングでは、左右分離クリップ型と骨伝導型という2つの部門で販売台数No.1を達成しているとのことで、日本市場でも確かな存在感を示している。その記念として、会場ではくす玉が登場し、山口氏が割るという演出もあった。
もともとの愛用者がアンバサダーに

山口氏は2026年2月よりShokzのブランドアンバサダーに就任している。オープンイヤー型イヤホンが登場した当初からさまざまなメーカーの製品を試し、Shokzも長年使い続けてきたユーザーだったという経緯があり、そのリアルな愛用者としての経験が評価されてオファーを受けたと語っていた。
OpenFit Proの最大の特徴の一つが装着感だ。わずか0.35mmという薄い壁厚で、ニッケルチタン合金製のイヤフックとShokz Ultra-Soft Silicone 2.0素材が採用されている。

山口氏は「1日中つけてられる」「付けたまま寝ちゃうぐらい自然」とコメント。さらに、自身の耳が「NBAの選手ぐらい」大きいことを笑いを交えながら話しつつ、「耳の大きさに悩む人にも安心して使える設計になっている」と語っていた。オープンイヤー型は耳の形によって合う合わないが出やすいだけに、そこがマッチするというのは大事なポイントだと思う。
音質は「前モデルとは別物」レベルに進化
今回の発表で特に強調されていたのが音質面だ。「Shokz SuperBoost」と名付けられた新たなドライバー技術が搭載されており、11×20mmの超大型デュアルダイアフラムドライバーが緻密に連動することで、滑らかな高音から深みのある低音まで音の細部を余すことなく表現するとされている。さらに「Shokz OpenBass 2.0」により、深みと厚みのある低音再生も実現した。

前モデルのOpenFit2と比べて低音パワーは50%以上アップ、音の歪みは87.5%低減というスペックが示された。数字だけ並べると半信半疑になってしまいがちだが、山口一郎氏が「従来のオープンイヤー型に対するイメージを覆された」と語っていたのが、むしろ説得力があった。愛用者として率直な言葉で話してくれていたからだと思う。
また、Dolby Atmosに最適化されたチューニングが施されており、ヘッドトラッキング技術によって頭の動きに合わせて音が追従する臨場感も備えている。Dolby Atmos対応コンテンツをよりリアルに体験できるというのは、映像との組み合わせでも活躍しそうな機能だ。
オープンイヤー最大の弱点に「フォーカスモード」で応える
オープンイヤー型の課題として多くの人が感じているのが、騒がしい場所での使いにくさだ。物理的に耳を塞がない構造上、ノイズキャンセリングのような遮音は難しいとされてきた。

OpenFit Proは、新しいマイク配置と適応型アルゴリズムを組み合わせた「フォーカスモード」を搭載することでこの問題に挑んでいる。トリプルマイクシステムと耳の状態に適応するアルゴリズムが連携し、耳の内側のノイズレベルを精密に予測することで、「聞きたい音に集中しながら、周囲の音もちゃんと感じられる」という体験を実現するのが狙いだ。
音漏れ対策にも「DirectPitch 3.0」というワイドバンド音漏れ抑制技術が搭載されており、プライベートイコライザーモードと組み合わせることで、オープンイヤーながらよりプライベートなリスニング環境を作ることもできる。
通話性能も強化されており、AI音声認識を搭載したトリプルマイクアレイが環境ノイズを最大99.4%低減。風ノイズ低減構造も備えており、屋外での通話でも声をクリアに届けられるとのことだ。
日常使いに嬉しい実用スペック
バッテリー面では、最大12時間の連続再生に対応し、充電ケースと組み合わせることで最大50時間の使用が可能。10分の急速充電で最大4時間再生できるのも、忙しい日常ではありがたい。Qiワイヤレス充電にも対応しているので、ケーブルなしで充電できる。
そのほか、IP55の防塵・防水性能、Bluetooth 6.1による2台同時接続、装着検知など、日常のさまざまなシーンでの使い勝手が細かく考えられているのがわかる。
質疑応答で聞いた、「楽曲制作でのShokzの使い方」
質疑応答で山口氏は、移動中や日常の「流し聞き」にはShokzのオープンイヤー型を愛用していると話していたが、「楽曲制作時にもShokzで聴くことはあるのか」と質問してみたところ、レコーディングした音源をハイファイオーディオで確認するのはもちろんのこと、スマホで鳴らしてみる、車のスピーカーで聴いてみる、といった自分なりのリファレンスのチェックリストがあるそうで、「Shokzもその中の一つのリファレンスになっている」とのことだった。

また、「Shokzの開発者と話して音へのこだわりについて感じたことは?」という質問には、「自分はこういう音にしてほしいとあまり言うことはなくて、どちらかというと探究心としてどうなっていくんだろうという感覚の方が強い」と語った。オープンイヤー型イヤホン自体がまだ進化の途上にある技術であり、AIをはじめとした新しい技術が加わっていく中でこのカテゴリーがどんな音になっていくのかを、近くで見届けられることが一番楽しいのだという。
OpenFit Proは4月7日予約開始

OpenFit Proは、ブラックとホワイトの2色展開。価格は税込39,880円で、4月7日(火)から予約受付がスタートし、発売は4月22日(水)となっている。
販売チャネルはShokz公式オンラインストアと全国主要家電量販店。Amazon・楽天・Yahoo!などのECサイトについては、現時点では販売調整中とのことだ。
オープンイヤー型イヤホンに興味があるけど音質面で踏み切れていなかった、あるいは騒がしい場所では使いにくいと感じていた、という人にとっては、一度試してみる価値のある選択肢になりそうな製品だと感じた。

