Apple Storeでは、毎日のように様々無料セッションToday at Appleが行われてるが、本日5月12日から、Appleのサービス、App Store、Apple Music、Apple Books、Apple TV、Apple Podcastで「超えていこう」というテーマで様々な企画が行われるのに合わせて、都内のToday at Appleでも特別なセッションが行われる。
5月19日(金)はApple 表参道で「Exclusive:Omoinotakeから学ぶ、挑戦が掻き立てる創造性」、5月25日はApple 丸の内で「Exclusive:朝日新聞が考える、聞き手の共感を引き出すポッドキャスト」、5月30日(火)はApple 丸の内で「アートラボ:滝沢友紀に学ぶマンガで紡ぐストーリー」が開催される。
今回はその中から5月30日に行われるセッション「アートラボ:滝沢友紀に学ぶマンガで紡ぐストーリー」のプレビューセッションを取材することができたので、そのレポートをお届けしたい。
お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんの妻であり、マンガ「ゴミ清掃員の日常」の作画で知られる滝沢友紀さん。
それまでパートで働きながら二人のお子さんの子育てに奔走する毎日から、エッセイ漫画家になった滝沢さん。セッションの冒頭ではそのキッカケについても聞くことができた。
お笑い芸人をしながらごみ清掃員としても働く滝沢秀一さんのごみ収集に関するツイートを、有吉弘行さんがリツイートし話題になり、それが講談社で編集を務める塩田将也さんの目に留まり、マンガ化の話が始まる。
ネームは塩田さんと滝沢秀一さんで決めたものの、滝沢秀一さんに絵が下手だったことから妻の滝沢友紀さんが描くことに。
絵が好きで描いていたことはあったものの、絵の勉強はしたことなく、このマンガを描くために3時間のiPadとマンガ制作アプリの講習を受け、その翌日からマンガ制作に入る。一年で120ページを描くというリミットが決まったところからスタート。それまで締め切りに追われる経験がなかったので大変だったと話す。
それでも塩田さんが徹底サポート。プロジェクトを共有することで常に監視されているような状態ながら、それがなかったら描くことができなかった語る。絵がどうしても描けない時も、塩田さんから「一日、一本の線でもいいから描いてください」とアドバイス。一本の線を描くと不思議と二本目、三本目の線が描けるようになったという。ここからどんな時も何か一歩踏み出すことが大事だと思ったと語る。
また、マンガを描いてる時に、上手い絵を描こうとしてかなり悩んだこともあったそうだが、上手いではなく、伝わる絵を描こうとして、気持ちが楽になったとも語っていた。
そもそもそれまでiPadも使ったことがなく、パスコードやWi-Fiの設定もできなかったところから、最終的に一冊のマンガを描き上げてしまったというのは本当に驚きだ。ちなみに、本当に12.9インチiPad ProとApple Pencilだけで描き上げているそうで、それ以外のデバイスは使っていないそう。
セッションでは、滝沢友紀さん描き下ろしの2コママンガの2コマ目を完成させるという、実際にマンガを描く工程を体験することができた。使うアプリはProcreateだ。
マンガ描くときに便利なレイヤー機能だったり、人物の表情を決める目や口、まゆげなどのサンプルも提示してくれるので、マンガを描いたことない人でも安心してセッションに参加できる。僕はかなり絵が下手だが、滝沢友紀さんからアドバイスをもらうことで楽しく描くことができた。
滝沢友紀さんは、48歳からエッセイ漫画家としてのスタートを切ったが、まさか自分がマンガを描くとは…と思っていたという。それでも一歩踏み出してチャレンジしたことが形になったことはすごく嬉しかったと語る。
この経験から躊躇せず、やりたいと思ったことを年齢という枠にとらわれずに、みなさんにもチャレンジしてほしいと話していたのは印象的だった。
5月30日(火)にApple丸の内で開催される今回のセッションの予約が開始されている。
マンガを描いたことないけど、描いてみたい人にはぜひオススメしたいセッションだ。iPadとApple Pencilを使うことで、誰でもクリエイティブなことができるようになることが実際に体験できると場となるのではないだろうか。このセッションが一本目の線になって、次の2本目の線が描けるようになるかもしれない。