M2搭載MacBook Airが手元に来て、約1ヶ月が経過した。これまで、Podcastでも色々と使用感を話してきたが、改めて、この期間じっくり使ってみたレビューをお届けしようと思う。
注文したモデルは、8コアCPU、8コアGPU、16GBユニファイドメモリ、512GB SSDという構成。カラーはミッドナイトだ。
SSDは、512GBを選択した。1TBや2TBの方がもちろん良いのだろうが、財布の中身と相談して512GBに。不便でも、運用でカバーをすれば良いと、この構成に決定した。
ぼくは既に、メインマシンとして、2021年に購入したM1 Max搭載14インチMacBook Proを使用している。
そのため、このMacBook Airでは、記事作成などのテキスト入力と事務作業、ネット利用の普段使いを想定しており、動画編集はしない予定だ。
ただ、せっかく2つのマシンがあるのだから…ということで、M1 MaxとM2で、普段使いや重たい作業で、どの程度差があるかを検証することにした。
普段使いはサクサク、M2 MacBook Airの実力
普段、ガジェタッチの記事作成はNotionまたは、MacのブログエディタアプリMarsEditを使用している。記事用の画像編集・加工にはPhotoshop、調べ物にはSafariやChromeを使う。
作業の流れは、テキストを入力→画像編集→校正→アップロード。これは通常のビジネスマンなら「資料を添付してメールを送る」といった作業に近いかもしれない。
この辺りの作業では、M1 MaxとM2の差は全くといっていいほど感じない。どちらもサクサク動いた。
M2 MacBook Airには16GBのユニファイドメモリを搭載していることもあってだろうか、メモリ不足を感じるシーンもなかった。
続いて試したのは、Zoomでのオンラインミーティングだ。M2 MacBook Airで、1時間弱をバッテリー駆動で稼働させたが…なんと10%ほどしか減らないという、脅威のバッテリー持続時間を記録。
充電のもちはM1発表当初から大きなアピールポイントだったが、M2になってもほとんど変わらず、パワフルに動くのは、かなりの良ポイントと言えるだろう。
M2 MacBook Airは、こうした作業だけでなく、エンタメ利用、つまりYouTubeや音楽の視聴シーンでも非常に優秀だった。正直困る部分がなく、本体が熱くなるということも、ほぼない。予想はしていたものの、目の当たりにすると驚いてしまう。
重たい動画編集・書き出しではどうなる?
M2チップの普段使いの感触がわかったところで、次は、重たい作業での実力を見て行こう。
M2搭載MacBook Airと、M1 Max搭載14インチMacBook Proの双方に、ぼくがいつも使用している動画編集アプリ、DaVinci Resolveをインストールして、同じプロジェクトファイルを読み込んだ。
このファイルはSONY α7siiiで撮影した4K 30fps 10bitの動画に、テロップなど複数のレイヤーを重ねたもので、カラー調整あり、音声も4ch別撮りで存在しているという、なかなか、重めのデータだ。
タイムラインの追従性で比較してみた。やはりM1 Max搭載14インチMacBook Proは、全くと言っていいほどストレスを感じない。
対して、M2搭載MacBook Airは、かなりサクサクではあるものの、たまにカクっと動きが落ちるシーンがあった。
M1 Maxとのパワーの差を若干感じられたと言えるが、この辺りは、まったく気にならない人もいるかもしれない。
続いて動画書き出しを比較しよう。今回の動画の長さは23分40秒とやや長い。設定は4K・30fps・H.265、音声は48kHz/24bitで書き出ししてみた。結果は下記の通りだ。
M1 Max搭載14インチMacBook Proでは12分16秒で書き出しが完了したが、M2 MacBook Airでは47分39秒。なんと、約4倍もの差が出ている。
M2 MacBook Airの、書き出し中のCPUやGPUの使用率を見てみると、(DaVinci Resolveのクセなどもあるかもしれないが)GPUはほぼフル稼働で、CPUの使用率はパフォーマンスコアより高効率コアが使われている印象だ。特にパフォーマンスコアの7と8があまり使用されていないのがわかる。
底面も結構熱くなっていた。この熱のせいでパフォーマンスコアの性能が抑えられていたのかもしれない。
なお、M1 Max搭載14インチMacBook Proでもファンはフル稼働していたので、ファンレスのMacBook Airにはかなり負荷のかかるテストだったと言えるだろう。
このように、長時間の4K動画編集というシーンでは、M1 MaxとM2で、しっかり差が出ることがわかった。GPUパワーを使う重い処理では、GPUのコア数、メディアエンジンの個数に比例してしまうのだろう。
ただ、ここまで負荷のかかる作業を、普通の人がするとは考えにくい。フルHDの動画や、4Kでも比較的短い動画ならば、サクサク編集できる。どこまでの処理をマシンに委ねるかが、自分に必要なマシンを決める際のポイントと言えるだろう。
8割のユーザーが満足できる?定番スペックのM2 MacBook Air
到着から1ヶ月、さまざま場面でM2 MacBook Air使ってきたが、このマシンはおそらく、Macを使う8割程度のユーザーが満足できるスペックなのではないだろうか。
とにかく軽く(1.24kg)、最新のデザインで、万能。少なくとも3〜4年は戦える。幅広いユーザーにオススメできる製品だ。
ほとんどの人にとっては、これ一つでほとんどのことができてしまう、オールマイティな一台と言える。
ぼく個人としては、当初の予定通り、動画編集や配信など重たい作業にはM1 Max搭載14インチMacBook Proを使い、取材などで外で使う場合や、普段の記事執筆などはM2 MacBook Airを使う…といった使い分けをしていくことになりそうだ。
ちなみに最後に本体に指紋は目立つのか問題だが…
ミッドナイトは正直、色的にやや、指紋が目立つかもしれない。ただ、感じ方には個人差があると思うので、店頭で一度確認してみると良いかもしれない。