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そんなわけで今回は、MACお宝鑑定団主宰であり、ガジェタッチ最高顧問のDanboさんに、皆さんがよく知っているはずの”あの食材”について教えていただきました。
ずっとスーパーで販売されている「子持ちシシャモ」や、居酒屋メニューの「シシャモ」は、まさか「シシャモじゃない魚」だと知ったのは、2022年になってからだった。
きっかけは、ジェイアール名古屋タカシマヤで開催された「大北海道展2022」に行き、そこに出展していた「カネダイ大野商店」で販売されていた「本シシャモ」の説明を見たことだった。
アサリ産地偽装問題など、食品不正表示問題が話題になるなか、あさりに関しては「あさり」であることには変わりがないけど、一般的に販売されている「カラフトシシャモ」は、和名で、英名は「カペリン」と呼ぶ。
日本で売られているカペリンは、卵を抱えた時期に大西洋で漁獲された輸入ものがほとんどで、一生を海で暮らす魚。
それに対して日本固有種の本シシャモは、世界中でも北海道太平洋側の内浦湾から厚岸湾の沿岸地域にのみ分布し、川で産卵及び孵化し海で成長後に川に戻る「遡河回遊魚」で、同じキュウリウオ科に属しているが、本シシャモはシシャモ属、カラフトシシャモはマロータス属で、ネコ科の「ネコ」と「チーター」が違うように別の魚だった。
年間漁獲量は約1000トン程度で、漁期は10月末からの約1カ月と短く、漁獲量が少ないこともあり高価な魚のため、ほとんど市場に出回ることがなく、本シシャモを知らない人が多い。
カペリンは、体は青みを帯びた銀色をしており、これを「シシャモ」と思っている人の方がほとんどで、実際、自分もそうだった。
本シシャモは、背中は暗黄色で腹側は銀白色をしており、鮎に近い姿をしている。
また、カペリンは、卵を持ったメスのみが主に販売されているに対して、本シシャモは、雄と雌の2種類が流通していて、雄は雌より短命なため、成長する個体が少なく、同じサイズの場合、雄の方が高い。
そもそも、カラフトシシャモは雌しか流通していないため「雄の本シシャモ」という魚を食べたことがなかった。
本シシャモのオスは、鮎に近い味と食感で、本シシャモのメスは、漁獲解禁日と合わさり、完熟した卵を味わう。
本シシャモは、冷凍した生干シシャモとして流通していて、解凍後に再度冷凍しても味が落ちない。
もし、本物のシシャモを食べたことがない方は、一度「本シシャモ」を食べてみることをお薦めします。