2023年6月末に上海に行ってきました。ホテルは上海の繁華街、南京東路に滞在しました。南京東路はブランド品からローカルレストランまでありとあらゆるお店が集まる上海でもメジャーな観光地の一つです。この南京東路にはいつも上海人で込み合うアップルストアがあることも知られています。
平日休日どんな時間を問わずとも人の波が途切れることはありません。ところが今回訪問してみると、巨大なガラスパネルに囲まれた自慢のストアの外観が壁で塞がれてしまっていました。どうやら大規模な改装中のようです。
店内規模はかなり小さくなっており、早く改装が終わってほしいところ。ちなみに中国ではeSIMがまだスマートウォッチなどIoT製品にしか開放されていないこともあって、iPhoneはすべてデュアルnano SIMカードモデルになっています。
なおアップルストアの入るこのビルの地下1階にはリーズナブルかつ清潔な軽食やさんがたくさん入っているので、一人でご飯を食べる場所としてもお勧めです。筆者も毎晩ここで夕飯していました。
さて今回アップルストアへやってきたのはアップル製品を見るからではありません。ここのアップルストアを囲むように大手メーカーも旗艦店を構えているのです。
あからさまな対抗を見せているのがサムスンで、アップルストアの真正面に大型店舗を出しています。
店内はアップルストアほどの人の入りはありません。まあ中国ではサムスンの人気はかなり低いのが事実です。ところが一角だけ来客がひっきりなしに訪れるコーナーがあります。そう、折りたたみスマートフォンのエリアです。
iPhoneユーザーの中で折りたたみスマートフォンを「関係ないや」と思っている人がいたら、一度じっくり触ることをお勧めします。店内の撮影コーナーにも縦折り式の「Galaxy Z Flip4」が置かれ、テーブルに置いたまま写真撮影を試すこともできます。
サムスンは日本でも発売しているこの「Galaxy Z Flip4」と「Galaxy Z Fold4」のみに話題が集まっているのですが、それよりも人気を集めているのが「心系天下」というブランドを付けた、両モデルの高級モデル。心系天下ブランドは10年以上もサムスンと中国キャリアの中国電信が送り続けている製品で、仕上げの美しさは半端ありません。
そしてコロナ期間中にこのエリアに新たな「刺客」、ファーウェイが旗艦店を出しました。元々はGAPか何かが入っていたらしく、一等地に満を持しての店舗を出したのです。
ファーウェイは今やスマートフォンビジネスも細々と行っている、って印象があるでしょうが、2023年3月に発売した「P60 Pro」はDXOmarkで1位。ファーウェイのカメラはライカとコラボしたモデルが日本でも出ていたことがあり、そのころに触ったこともある人も多いでしょう。今はライカと提携は解消しましたが、カメラ性能は全く衰えていません。
最もヤバい存在と言えるのが「Mate X3」です。重量は239g。iPhone 14 Pro Maxより1g軽量です。にもかかわらず、これは横折り式の折りたたみモデルなのです。実際に開いてみるとひんじのぐらつきもなくしっかりした強度を誇ります。まあ日本でファーウェイの製品が出ていたころも、上位モデルの仕上がりは大手メーカー製品として誇れる造りでした。
本体サイズは閉じたときが156.9 x 72.4 x 11.8mm、開いたときが156.9 x 141.5 x 5.3mm。ディスプレイは閉じたときが6.4インチ2504 x 1080ピクセル、閉じたときが7.85インチ2495 x 2224ピクセル。カメラは広角5000万画素、超広角1200万画素、5倍望遠1300万画素。バッテリーは5060mAhで66W充電対応。そして折りたたみ式ですがIPX8の防水対応です。
スマートフォンの使い勝手は単体性能ではなく他製品との連携も含めたエコシステム全体で判断すべきです。しかしアップルからはしばらく出てこない折りたたみスマートフォンの最新の情況を見るために、上海のアップルストアを訪問しつつサムスンとファーウェイの店に立ち寄るのもいいでしょう。中国では複数メーカーから縦折りスマホが出ています。南京東路でも「首からiPhoneをぶら下げ、片手に縦折りスマホ」なんて上海女子をよく見かけました。中国では折りたたみスマートフォン人気がこれから急上昇していくでしょう。