
5月に台湾・台北で開催されたCOMPUTEX 2025で、ASUSが発表した新製品ラインナップを実際に体験してきました。軽量化技術からAIスーパーコンピュータまで、多彩な製品が勢揃いしていました。
ASUSブースをチェック
COMPUTEX 2025のASUS特設サイトでも詳細が公開されているように、今年のASUSブースは「AI PC」を軸とした製品展開が印象的でした。軽量なCopilot+ PC、360度回転する「逆パカ」ノート、さらにはAIスーパーコンピュータまで、幅広いニーズに対応する新作PCをじっくりとチェックできました。
ProArt PX13 (HN7306) — 「逆パカ」の革命児

今回最も注目したのが、360度回転ヒンジ搭載のコンバーチブル型ノートPC、ProArt PX13です。いわゆる「逆パカ」機能によりラップトップ、テント、スタンド、さらにはキーボードと独立させてタブレットと4モードで使用することが可能になります。
主なスペック
CPU/AMD Ryzen™ AI 9 HX 370プロセッサー(50 TOPS NPU)
GPU/NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Laptop GPU(312 AI TOPS)
ディスプレイ/13.3インチ 3K ASUS Lumina OLEDタッチスクリーン
重量/1.38kg
ASUS独自AIアプリ「StoryCube(ワンストップAIデジタルハブ)」「MuseTree(マジックAIツール)」搭載
実機を触った印象
ProArtはクリエイター向けラインですが、本製品はクリエティブだけでなく、営業シーンでの画面共有やプレゼンテーション、商談でのタブレット活用など、コミュニケーションが必要な職種全般で威力を発揮しそうです。画面をくるっと回転させてクライアントに見せる動作や、そのまま画面に書き込んで商談を作り上げていけば、確実に「おお!」という反応を引き出せるでしょう。
とはいえ、やはりクリエイターに向いているなというところがタッチパッド左上の仮想ダイヤル・ASUS DialPad。実際に操作してみましたが、クリエイティブアプリでのパラメータ調整がダイヤルを回すだけで直感的に行えるのは、何よりPCに最初から付いていてくれるのはうれしい。
トラックパッド一体型のProArtシリーズに搭載されているこの機能は、作業効率を重視するデザイナーの強い味方となりそうです。

Zenbook A14 — 1kg切りの衝撃

革新的なCeraluminium™シャーシを採用し、1kg未満という驚異的な軽量化を実現したZenbook A14。従来モデルと比較して30%の軽量化を達成しながら、大容量バッテリーとデュアルファン冷却システムを搭載しています。

会場では実際に天秤を使った重量比較デモが行われており、その軽さは一目瞭然。Ceraluminiumはセラミックとアルミニウムの複合素材で、セラミックの10倍の強度、アルミニウムの3倍の耐久性を持ちながら、優れた軽量性を実現する画期的な素材です。さらっとした触り心地は、人工素材でありながらもどこか天然石のような雰囲気で不思議な感覚でした。
ASUS Ascent GX10 — お弁当箱サイズのAIスーパーコンピュータ

NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchipを搭載し、1000 AI TOPSという圧倒的な性能を誇るコンパクトなAIスーパーコンピュータ。
AI推論とモデルファインチューニングに対応し、重いAIワークロードでも持続的なパフォーマンスを発揮します。その小ささからは想像できないほどの処理能力で、AIワークロードの拡張性と柔軟性を提供する次世代デバイスです。
ProArt P16 (H7606) — クリエイター向けフラッグシップ

16インチ4K ASUS Lumina OLEDディスプレイを搭載し、NVIDIA GeForce RTX 5070でクリエイティブワークを加速するクラムシェル型ノートPC、ProArt P16。14.9mm薄型、1.85kgの軽量ボディに、AMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサー(50 TOPS NPU)を搭載しています。
会場では実際に動画編集ソフトが動作しており、4K OLEDディスプレイの美しさとTensor Coreの力を遺憾なく発揮したRTXアクセラレーションの威力を体感できました。
ProArt PZ13 (HT5306) — タフなデタッチャブル

QualcommのPC用ARM SoC(CPU+GPU+NPU統合チップ)、Snapdragon® X Plusプロセッサーを搭載したデタッチャブル型ノートPCです。
防塵防水等級はIP52で、軍用グレードの耐久性テストもクリアしており、過酷な環境でも安心して使用できます。13インチ3K ASUS Lumina OLEDディスプレイで、モバイルクリエイティブワークに最適です。
番外編:ASUS Adol 14 Air Fragrance Edition

日本未上陸(中国限定)ながら、日本国内のASUSファンの中でも話題性抜群なのが香るパソコンことAdol 14 Air Fragrance Edition。
中国の女性ユーザーからのリクエストで開発されたこのPCは、ANNA SUIとのコラボレーションにより3つの香りを切り替えられる革新的な機能を搭載。画面裏に香り成分を含んだカートリッジを収納するケースを装着できるようになっています。
PCに香り機能という発想はなかなか簡単に思いつかないアイデアですが、中国女子たちの好きなものを全て詰め込みたい!という素直な気持ちに脱帽しました。

ASUSブースまとめ
軽量化技術のZenbook A14、「逆パカ」革命のProArt PX13、AIスーパーコンピュータのAscent GX10など、ニーズに合わせた多彩なシリーズが揃うASUS。
Copilot+ PC対応製品も充実しており、AI時代のコンピューティングを見据えた製品戦略が今回のCOMPUTEXのテーマ「AI NEXT」そのもので、とても印象的でした。それぞれが異なるユーザー層にアプローチする製品設計で、見逃せないラインナップとなっています。
ASUSはGlobal Visionとして、AIソリューションをWorkspace、Creator、Healthcareなどに展開していくそう。これらの製品を皮切りに、個性豊かな製品の開発が期待できますね。ますます今後の市場展開が楽しみです!