この記事はAVING Newsの提供で掲載しています。
韓国はメタバース企業の海外市場進出を支援する「メタバースコンテンツグローバル協力」事業を国として支援しています。
K-METAVERSE2022と題された特設サイトでは、Edu tech、Health tech、産業、エンターテイメント、プラットフォーム、デバイスなど、様々な分野の優秀企業70社が参加。資料の閲覧のほか、チャット・オンラインビデオミーティングなどの機能も用意されており、企業の担当者と直接コミュニケーションをとれる仕組みになっています。
今回Gadgetouchでは、こうした韓国のメタバース関連企業をグローバルに展開するためAVING News.が主催するKorean Metaverse Global Media Meetupに参加。韓国のメタバース企業について取材しました。
K-METAVERSE2022には、EduTechだけで20社が出展しています。今回はその中の一社であるWITH PLUSオンラインでインタビュー取材を行いました。
WITH PLUSは、新しい学習体験を提供するプラットフォームで、没入感の高い研修コンテンツをゲーム形式で開発している企業です。メタバース、Zoomなど各種プラットフォームとの連携・サポートを行いながら、企業、教育機関、インストラクターと契約しています。2019年の設立ながら韓国ではすでにトップシェア。SAMSUNGや NAVERなど多くの会社で導入されており、高い評価を得ているとのこと。現在、韓国の教育ビジネスは2兆ウォンの市場規模と言われており、学生向けビジネスを加えるとさらに拡大していくことから、まさに急成長を続けている企業と言えるでしょう。
WITHPLUSの教育コンテンツの特徴は、楽しみながら経営学やチームマネージメント、リーダーシップを学べること。各ソフトごとに役割が定められています。2019年にリリースされたSmartB-Mastersでは、オーナーシップ ・マネジメント ・フィナンシャルステートメントが学べます。2020年リリースのChllenge24では、リーダーシップ、フェローシップ、データ・ドリブンGreatDeal、GreatPick、GreatWinの3つでは、戦略的思考・交渉力・意思決定を。L-ders、L-ders Matchではリーダーシップを学べます。
こちらはChallenge24にチームで挑戦している様子。このゲームは、島を渡りながらサバイバルをして、最終的には利益を生み出すシミュレーション教育ゲーム。データに基づく目標設定の重要性や、ビジネスにおける利益の出し方などを退屈せずに学べます。
公的機関の仕組みを学ぶ、カスタム可能なGovernance6とは?
中でもユニークなのは2022年にリリースされGovernance6。公的機関のサービスや運営に関する事項を学ぶことができるもので、現在は各自治体や教育機関で提供されています。
このゲームは、公的機関に従事する人たちと、学生たちを目的に開発されており、現在は自治体でサービスを提供中。2022年11月には韓国内の大学の「行政学科」でのサービスインが予定されているとのこと。
Governance6はチームで行うゲーム。自治体や学校ごとのカスタマイズが可能で、自分たちの課題に沿って変更できます。例えばソウル市江南区では大規模な大雨の被害があったばかり。この事実をゲームに組み込むことで、参加者からの新たな意見を得たり、当事者目線または俯瞰で見た解決策にアプローチできる可能性があります。
リアルにオフラインでゲームを活用でき、また、遠隔授業の一環としてオンライン、メタバースでの展開が可能です。
最後にWITHPLUSディレクターのKwan Pyo Lee氏に、開発のモチベーションについて伺いました。
「教育とは、楽しいものでなければならない。私はそう思っています。公的機関での教育や、学校での教育は退屈でつまらないという思い込みを変えたいんです。効率が良く、満足度の高い学びを実施したいですし、デジタルコンテンツを通じてデジタルコミュニケーションを可能にすることで、講師に対する依存を減らし、講義の質を高めることを目標としています。」
コロナ禍で、オンラインでの遠隔授業は普及したものの、教師・講師によって学びの質が一定しないことは全世界共有の課題。とはいえ、新たな学びを講師自身に課すのは負担や過労にもつながります。WITHPLUSの提供するサービスを使うことで、質の高い教育が誰でも受けられるようになり導入した側の負担も減るのは嬉しい限り。
現在はパソコン専用で動くものが多いようですが、今後は教育にさらにフォーカスできるよう、Webブラウザ、モバイルに特化した開発なども進めていく予定だそう。
また、グローバルなサービス拡大を目指しており、現在日本でもパートナーを探しており、ゲーム会社とも一部交渉をはじめているとか。今後の展開が楽しみですね。