この記事はAVING Newsの提供で掲載しています。
韓国はメタバース企業の海外市場進出を支援する「メタバースコンテンツグローバル協力」事業を国として支援しています。
K-METAVERSE2022と題された特設サイトでは、Edu tech、Health tech、産業、エンターテイメント、プラットフォーム、デバイスなど、様々な分野の優秀企業70社が参加。資料の閲覧のほか、チャット・オンラインビデオミーティングなどの機能も用意されており、企業の担当者と直接コミュニケーションをとれる仕組みになっています。
今回Gadgetouchは、韓国のメタバース関連企業をグローバルに展開するためAVING News.が主催するKorean Metaverse Global Media Meetupに参加しています。
今回オンライン取材をしたのはAppmediaです。モバイル電子書籍アプリを開発する同社は、いわゆる今までの電子書籍とは異なり、動画やブラウザ機能、アプリ上から電話ができたりするなどよりマルチな機能を搭載しているのが特徴です。
より読みやすく、さらにマルチメディア機能を持った電子書籍アプリ
アプリのUIも特徴的で、ページをスワイプして項目を進んでいく方式と、その中のコンテンツをより見やすくするためのスクロール方式を合わせ持つ仕組み。紙の本と同じように、上から下に、左から右へと読みやすい形になっています。
日本の電子書籍アプリは、Kindleアプリなどに代表されるように、アプリの内に複数の本を置ける統合型が主力の印象がありますが、Appmediaの特徴は1冊の本が1つのアプリとして完結していること。(もちろん、統合型も作成可能です)
1冊の本が1つのアプリになるメリットは、クラウドサーバー費用の節約によりコストが抑えられること、よりそのアプリに適したコンテンツをインタラクティブに展開することができることでしょう。また、本の中身のアップデート経由で簡単に修正できたり、違法コピー対策も力を入れており、アカウントにログインした状態でないとダウンロードできない仕組みを採用しています。
世界的な本離れに大きな危機感
実際にアプリを体験したところ、文字が読みやすく使いやすい印象でした。この理由についてAppmediaは「弊社はコロナ前まで公共機関の情報誌の印刷業務を請け負っていました。公共機関ということで非常に厳しい要件が数多くあり、その業務の中でノウハウが溜まり、現在のアプリに転用できたんです」と話しました。現在韓国では教科書全てを電子書籍化していることもあって、同社ではコロナ禍以降、教育関係のアプリに力を入れているそうです。
なぜ、電子書籍アプリの開発をしようと思ったのかという質問に、世界中の出版社の共通の悩みとして本離れが非常に深刻であることを挙げており「ただ文字を読むだけではなく、動画の視聴やVRコンテンツの表示も簡単で、より本に興味を持ってもらう仕組みにしています」と答えました。
実際に「Kiaf ART SEOUL 2020」という日本を含む9カ国が参加したアートイベントのガイドブックアプリでは、出店各社の展示内容の説明やギャラリー表示、動画再生、直接コンタクトを取るための電話機能などが実装されていました。展示会のパンフレットはPDFで閲覧するものが多く、拡大しないと文字が読みづらいなどの現状がありますが、Appmediaではマルチメディアな電子書籍にできるため、より見やすいアプリ制作が可能になります。
韓国の電子書籍の市場は成長途上で、現在約6000億ウォンほど。今後全体の20%ほどのシェアを獲得してたいと考えで、日本を含めた海外へのさらなる展開も視野に入れているそうです。現在日本では3つの企業と業務提携し、アプリの制作を行なっているそう。本の読みやすさを兼ね備えながらもリッチな体験ができるブックアプリは今後、電子書籍の主流になっていくのでしょうか。注目していきたいポイントです。