世界中でiPhoneは販売されていますが、アラブ首長国連邦のドバイの事情は他の国とはちょっと異なります。今回はそんなドバイで見かけた24金のiPhoneなど、他国では見られないiPhone事情を紹介しましょう。
ドバイは世界のスマホの貿易港
日本では輸入品のスマートフォンを買うのはどことなく後ろめたいイメージがあります。技適の問題もありますし、わざわざ輸入品を買うという感覚がそもそも一般的ではないでしょう。しかし海外では「正規品が高いから輸入品を買う」といった考えが普通の国も多くあります。
ちなみに2G(GSM方式)時代から日本・韓国・アメリカ以外の国はほぼ国を超えてローミングサービスが利用できました。そのため国内で自国で売っていないケータイを見かけることも当たり前であり、輸入品が販売されることも普通だったのです。
さて各国に輸入されるスマートフォンは、アジア向けなら香港、ヨーロッパやアフリカ向けならドバイに一度集約され、そこから再輸出されます。香港もドバイも自由貿易港として知られ、船や飛行機で世界中にアクセスできることからスマートフォンの輸出入の拠点になっているのです。そしてドバイの街中でも輸入されたiPhoneが各地で山のように売られています。
ドバイのiPhone 14 Pro 128GBの価格は4299ディルハム、約16万2000円です(2022年11月末現在)。輸入品はこれよりも安いことから人気があるのです。ヨーロッパなどからの旅行者が母国の価格と比べて安い輸入品を買うこともめずらしくありません。
このように輸入iPhoneの購入が普通のドバイでは、他の国では売っていないiPhoneも多数販売されているのです。
ドバイといえば世界一の高層ビルや世界で唯一の七つ星ホテルなどがあり観光で訪れる人も多くいますが、金製品が他の国より安いことでも知られています。金製品の店がずらりと並ぶマーケット「ゴールド・スーク」には外車どころか家も買えてしまう価格の金加工品が多数販売されています。
ゴールドにあふれる国ドバイですから、当然のことながら身の回りの製品も金製品で揃えたいと思う人も多いもの。そんな願いをかなえるようにドバイでは本体を金メッキ仕様にしたiPhoneが普通に販売されています。なおiPhoneはガジェット製品なのでゴールド・スークの金販売店では売っておらず、どんなものが売っているかを見るのなら大手家電量販店に行くといいでしょう。
ドバイモールで24金iPhoneとご対面
世界最大のショッピングモール「ドバイモール」には大手家電量販店が複数店を構えています。ドバイメトロ「ブルジュ・ハリファ / ドバイ・モール」駅から連絡通路を通ってドバイモールに進むと、そのまま家電量販店が並ぶフロアに入ることができます。ドバイモールは規模が大きく高級ブランド品から日用雑貨まで様々なものが売られています。フードコートもあるので1日ここで過ごすことも可能です。
さっそく近場の家電量販店に入ってみると、すぐに目につく位置にきらびやかな外観のiPhoneが目に入ってきます。もちろんこれはアップルの正規品ではありませんし、改造扱いになるのでAppleCareも受けられなくなるでしょう。でもそもそもこの手の製品を買う人はAppleCareなど気にしません。「壊れたら買い替えればいい」のです。
この製品はCRAFTBYMERLINのもので、クリスタルシリーズや24金ゴールドシリーズがあります。ちなみにiPhone 14 Proのエッジゴールドのモデルは7999ディルハム(約30万2000円)、背面フルゴールドモデルは8499ディルハム(約32万1000円)です。
金ピカのiPhoneは日本人的にはちょっと違うと思うかもしれませんが、金が好きな人にとっては「これ以外のiPhoneはiPhoneとは呼べない」と考えていることでしょう。また安価な金色メッキのまがいものではなく本物の24金メッキは光沢感が全く違います。もちろんケースなど着けずにこのまま使うのが当然です。
ゴールド以外にも本革など天然高級素材を使ったiPhoneも販売されています。この業界では有名な「GIVORI」の製品もドバイでは家電量販店に在庫があります。
ドバイモールには家電量販店が4-5店はいっていますが、ほぼすべての店で金ぴかiPhoneが売られています。ドバイではこれが普通の光景なのです。
なおモール内のケース店には金メッキ風のケースも売られていましたが、純金と比べると見た目の違いは一目瞭然。せっかく買うならちゃんとお金を払って24金iPhoneを買ったほうが幸せになれるでしょう。ドバイに行く機会があれば、ぜひドバイモールへ金ピカiPhoneを見にいってください。