あけましておめでとうございます。茂田カツノリです。
1月といえばラスベガスにおけるドでかい展示会の「CES」で、筆者も2019年以来、4年ぶりに訪問しています。
かつては「Consumer Electronics Show」つまり家電の展示会だったのですが、近年はIoTデバイス・ロボティクス・スマートシティなど「近未来」がテーマになっていて、名称も「CES」が固有名詞であるということになっています。
自動運転車のレースをやるよ
CESの出し物のひとつとして、日本時間1/8(日)にラスベガス・モータースピードウェイにて自動運転車によるレース『オートノモスチャレンジ@CES(Autonomous Challenge @CES)』が開催されます。
これ要するに「自動運転車によるインディ500っぽいレース」で、車体はイタリア・ダラーラ社製の「AV21」という排気量2.0㍑の4気筒ターボエンジン搭載マシンに統一されてます。そう、自動運転車といってもEVではなくエンジン車で、車体は統一されているので制御部分で競うことになります。
この形式のレース自体は2021年から開催されており、CESでは前回の2022年より開催で、定番化されそうです。ラスベガスという、近隣にレーストラックがある立地を活かしたイベントです。
出場チームはすべて大学
レースといっても抜きつ抜かれつではなく、タイムアタックで順位を決める形です。
従来のインディ500レースは最高時速が400km/hに迫るという世界最高速の自動車レースだが、オートノモスチャレンジも270km/h程度は出すのでかなりの高速。車体には複数のGPS/GNSSアンテナやカメラ・センサー等が搭載され、しっかりとコースを認識して走ります。
あくまで技術的チャレンジが主体なので通常のレースのようなエンターテインメント要素については今後のテーマとのことだが、それでもレースによっては優勝賞金150万ドル(1.9億円)というレベル。こうした技術への世間の関心度の高さが伺えます。
さらに実際の車を走らせるのではなくシミュレーションの競技もあるなど、技術を伸ばしてゆくことへの手厚い補助が伺えます。
出場チームは大学のみで、2023年は以下のとおり。アメリカが主体ですが韓国科学技術院(KAIST)も単独でチームを出しています。
日本の大学の名がないのはちょっとさみしい気もしますが、このレースはまだ始まったばかりなので今後ぜひ参加校が出てきてほしいものです。
時速200km/h超で2台並走!
自動車レースというのは技術チャレンジの積み重ねが実製品にフィードバックされることが期待されるわけですが、その意味でいうとこのレースも現時点でかなりの技術と見受けられます。
予選のタイムアタックは単独走行ですが、本戦の動画をみると2台がガチ走行しオーバーテイクもしてます。
いやちょっと待って200km/h超だよね、マシン搭載のセンサとシステムがリアルタイムに処理してるんだよね、それでこんな凄いことできるの?と考えると億単位の賞金が出てもおかしくないハイレベルの戦いが繰り広げられている。
こういう競技はもっと増えてほしい
自動運転に限らず人工知能や機械学習というものは、さまざまな条件や環境における挙動や反応の情報をひたすら地道に積み上げてゆくという点で、いわば「量」の勝負という要素が強くあります。
それだけに、こうした競技が自動車レースに限らず多くの分野で広まり、ある程度の賞金が出されるというのは、良き人工知能社会に向けて必須の行動です。
そのいち事例としての『オートノモスチャレンジ』にはぜひ注目し、ライブ中継をみて未来を感じてほしく思います。