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【CES2023】OLEDで存在感を高めるLGはどこへ向かうのか/Shigezone通信 アキバから世界へ

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自宅でもLG製の60インチOLED TV(英語でも「おーれっど」と発音)を愛用し、TV検討してる友達にも「LGいいよLG」と押し付けている筆者による、LGの記者発表および展示のご紹介です。

「日本vs他国」のような単純な競争図式の話をするつもりはありませんが、日本の有名家電ブランドが空洞化する中で、LGとSamsungのCESにおける存在感の大きさ、そして元気さは、いろいろと象徴的ではありますね。CESはもはや家電のショーではありませんが、家電企業としてみるとLGは出展社の中で代表的立ち位置になってるという印象なブースと記者発表でした。

OLED TV10周年!

CES2023メディアデイの1コマめに開催されたLGの記者発表はこちらです。

アメリカの特に西海岸だと、記者発表や会議やセミナーを普通に朝8時スタートでやりますね。筆者もこの現場にいて「速報記事書くなら家でストリーミングみてたほうがいいな」と思ったのはヒミツです(笑)。

Ceslg 01
LGのOLED TVは10周年!

LIFE’S GOOD AWARD

近年、CESでは製品よりも企業の取り組み、特に「サステナビリティ」をしっかり主張せねばという傾向が強くあります。CESは製品発表の場としてのインパクトも大きいですが、だからこそ企業姿勢の発表の場としても重要視されているということでしょう。

今回のLGでは、各方面の活動に対し「LIFE’S GOOD AWARD」を授与し、記者発表の動画で紹介しました。製品とは直接的には関係ないとはいえ、製品に対する理解をより深めるためには、こうした主張についても耳を傾けておくべきでしょう。

透明OLEDディスプレイ

原理的にOLEDならできちゃうよね、という透明ディスプレイは、LGではちゃんと家庭用TVとして使える形のものを展示していました。普通に映像をみたい場合は透明では困りますが、ディスプレイ下部に黒のロールスクリーンが仕込まれていて、必要なときはスルスルと上がってくるという構造でした。

記者発表でもこのディスプレイが生活に溶け込むような想定シーンがありましたが、今後どのように活用されるのか楽しみというものです。透明ディスプレイが家庭用TVとして需要あるのかは疑問がありますが、それをひっくり返すような提案が出てくることも期待したいですね。

曲率変更OLEDディスプレイ「LG OLED Flex LX3」

ゲーミングディスプレイの理想を追求したという感じの、曲率変更可能なディスプレイも展示されていました。平面から900Rまで20段階の曲率設定が可能です。こちらは実売価格40万円台で日本でも近日発売開始されます。

「そもそも曲面にする意味・曲率変更する意味は?」という基本的な質問をしたところ「映画のように画面の一部にだけ注目すればいいコンテンツの場合は、画面はフラットで事足ります。しかし全画面に注意を払う必要があるFPSなどのゲームや、もちろんスプレッドシートなどは、多くの情報を首をあまり動かさず目の動き主体で追える曲面ディスプレイにメリットがあります」と解説をしていただきました。

仕様自体はチューナーも搭載したごく普通の4K TVですが、画面の一部のみに表示させる機能など、ゲーミング用途のための特殊機能も満載で、当然の120Hzですし、ガチのゲーミング勢ならほしくなってしまうスペックです。

そして巨大ディスプレイを使ったときのデメリットである「視線移動が大きすぎる」点を、曲面および縮小表示機能で対策している点が、長期利用でどう効果が出てくるかは、今後のレビューに期待しましょう。

プレゼンターの人選にも各社の思想が表れる

記者発表のプレゼンターに誰を呼ぶか?という点も各社の思想なり趣向なりが反映されて興味深いものです。Panasonicは司会に俳優のカル・ペン氏を起用していました。氏はホワイトハウスのスタッフから俳優に転身し、キーファー・サザーランド主演のNetflixドラマ「サバイバー: 宿命の大統領」(Designated Survivor)ではホワイトハウスのスタッフ役をした人です。キヤノンではM・ナイト・シャマラン監督が登場していました。

Ceslg 02

そしてLGのプレゼンターに起用されたのは、インド+韓国系のアーティストであるプニータ・バジャジ氏。動画をみてわかるとおりの快活なプレゼンは、内容がよく伝わってきました。

「PetCare」シリーズにみる風潮の変化

LGはペット飼育を前提とした空気清浄機・掃除機・洗濯機などを展開していますが、今回そのシリーズの洗濯機が記者発表でも取り上げられました。

日本ではいまだに賃貸住宅や集合住宅で犬・猫と暮らすのは困難ですが、たとえばニューヨークではマンションのエレベータにいつも犬が乗っています。アメリカはさらに変化し、空港には犬用のトイレがあり、ターミナル内をお散歩のように犬が歩いています。

アメリカンコッカースパニエルと暮らす筆者としても、日本のペット飼育状況が好転することを願いますが、アメリカはかなり先をいっているなという印象でした。日本でペット関連IoT機器を作っている皆さん、アメリカに行ったほうが良さそうですよ。

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ロサンゼルス国際空港・出発ロビー内のワンちゃん用トイレ。これも近年の変革。猫や小型犬はケージで機内に。こうした変革も、LGがPetCareブランドを推していることにつながっている印象

「勢いのある会社」という印象を強めるCES出展

入口の横断幕にしても大型なブースにしても、CESで存在感を高める努力はかなり成功している印象を受けました。

この他にもストリーミングやゲーム関連、白物家電など多くの発表がありましたが、中でも自動車の車内ディスプレイについてはLGの強みが生かされる領域として、今後の動向を見守ってゆきたく思います。

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通路に掲げられた巨大な横断幕。ブースや記者発表も含め「存在感パねえな」という印象が強かった
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茂田カツノリ

茂田カツノリ

秋葉原の電子機器屋

1965年生まれ、インターネット老人会世代のエンジニア&ライター。人生の紆余曲折を経て現在は秋葉原ラジオデパートにて小さな電子機器のお店をやっている。カリフォルニアでの起業歴と失敗歴を持つ(笑)。本職は業務効率化と業務アプリの設計・開発・コンサルだが、電子工作ネタ・宇宙ネタ・旅行ネタなども好む。妻1人子4人犬1匹。 個人 Twitter: @Shigezo / Facebook: fb.com/k.shigeta お店 www.shigezone.com Twitter: @ShigezoneAkiba / Facebook fb.com/ShigezoneAkiba

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