Appleの新製品として登場したM2チップ搭載のiPad Pro。今週10月26日(水)に発売になるこの機種を、ひと足先に触れる機会を得ましたので、ファーストインプレッションをお届けします。
M2搭載iPad Proのスペックは?
今回登場するのは、すでにMacBookシリーズに搭載されているApple独自の最新チップ、M2を搭載したiPad Pro。
サイズは11インチモデルと12.9インチの2種類、カラバリはスペースグレイとシルバー。
12.9インチのみ、Liquid Retina XDRディスプレイ搭載。容量は128GB、256GB、512GBから、1TB、2TBまであり、オプション(別売り)でApple Pencil(第2世代)と、Magic KeyboardまたはSmart Keyboard Folioが使えます。
Wi-Fiモデルと、5G搭載のWi-Fi+Celluarモデルどちらでも、Wi-Fi 6が利用可能です。
新機能「ホバー」でApple Pencilがもっと便利に
注目は、M2搭載iPadの新機能「ホバー」。これまでiPadには、トラックパッドを使わない限り「ポインタの移動」という概念はありませんでした。Apple Pencilの組み合わせの際は、「クリック」同様、設置した面でアクションが起こってしまうのですが、このホバー機能を使えば画面上にポインターが現れるので、自分がどこにペン先を着地させるのかが明確になります。
正確な作業が必要な、イラストレーターやデザイナーは重宝しそうですね。
CPUベンチマークスコアをチェック
M2搭載iPad ProのCPUベンチマークスコアはこちら。今回レビューしているこちらの機種は、Wi-Fi+Cellular の1TBモデルです。
シングルコアは1855、マルチコアが8439。ちなみにM1搭載iPad Proはシングルコアが1700、マルチコアが7200ほどです。
M2搭載iPad Pro Metalスコアは33315を記録。M1搭載iPad Proは21000ほどでした。
MetalはM2 MacBook Airのスコア30000より高いスコアが出ていますね。
ステージマネージャとの組み合わせで自由度がUP
iPadOS 16.1で、iPadは「ステージマネージャ」が使えるようになりました。今まで、iPadマルチタスクと謳われながらも作業はある程度制限されており、Macのようにウィンドウを並べて作業できなませんでしたが、この機能でご覧のようにアプリをウィンドウで複数並べて作業できるようになります。自由度がぐんと高まりましたね。
YouTubeをみながら、Twitterをしながら、Safariで調べ物をする…とか、Keynoteでプレゼンテーションを作りながら、PDFデータを参照し、メッセンジャーでやり取りをする…などの複数作業が楽になります。私は普段iPad Proの11インチモデルを使っていますが、こうなると、12.9インチモデルが欲しくなります。
M2搭載のiPad Proとなると、試してみたいのは映像編集。同時に発表されたDaVinci Desolve for iPadはこの冬リリースという事なので、今は試せません。
代わりにAdobe Premier RushやiMovieを試してみましたが、長時間の4K、レイヤーを多用したタイムラインでも、サクサク動く事を確認しました。これなら、もっと複雑な作業も移動中に仕上げられそうです。
スクリブルを使えばKeyboardなしでもテロップ可能
ちなみにみなさん、忘れかけているかもしれませんが、iPadには「スクリブル」という手書き認識機能がついています。英語、日本語どちらでも認識するので、キーボードがなくてもテロップ入れが可能。飛行機の中で、電車の中で、ベッドの中で、ソファで…と、いろいろなところでの作業が捗りそうですね。
iPadの良さは、SIMが入ること!とずっと言い続けている私なのですが、今回から5G対応になったので、よりフレキシブルに、世界のどこにいても作業ができる環境が手に入った、と言えるでしょう。
個人的に、M2 iPad Proは、クリエイターのサブデバイスに最適だと考えています。MacBookと合わせて所有し、外にいるときはiPadでアイディア収集したり、移動中に作品制作を行う、というスタイルです。
また、カメラ(動画)は今回から最大4K 30fpsのProRas撮影に対応していますので、映像作品を使っている人があえて飛び道具的にiPadで素材を撮影というのとも、新たな発見がありそう。
Adobeのような、クラウド対応の映像編集ソフトを使えば、移動中にざっくり編集をして、自宅でじっくり腰を据えてMacBookで細かい作業することもできる。両方をそんな形がベストなのではないかと思います。
もちろん、コストは大変にかかりますので、プロとしてそこに設備投資できるか、という自問自答が必要になりますが。
せっかくのM2 搭載という事で、レーシングゲーム「アスファルト 8」も試してみました。12.9インチのミニLEDの搭載モデルということもあり、没入感は抜群。前機種から変わらないポイントではありますが、iPad Proはスピーカーも優秀。これからApple Arcadeに有名タイトルも続々やってきそうな予感がありますし、今後「ゲーム」の側面でも、iPadが楽しくなっていくんじゃないか、という期待が高まりました。
以上、M2搭載iPad Proをご紹介しました。ホバーについてなど、動画でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。