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Apple、Google、MicrosoftのCEOは何故日本に来たのか?GIGAスクール構想の入札端末指定3社の思惑と行末 ー DANBOのOTAKARAでは書かない話

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GIGA3sya

2022年12月12日から16日にかけて、AppleのTim Cook CEOらが来日しました。

Tim Cook CEOらが来日するのは、2019年12月以来3年振りです。それ以前は2016年10月に来日していて、この時は横浜に新たな開発拠点を作るという手土産を持って当時の安倍首相と面会しています。

Appstorefoundationsprogram

今回、来日するに辺り「Apple、日本のサプライヤーへの投資を加速:2018年以降1,000億ドル以上を支出」と「Apple、日本でApp Store Foundations Programを開始し、アプリケーション開発者のコミュニティを支援」という2つの日本に向けた発表を行っています。

以前の2回の訪日時には特に発表は行われていません。

これだけを取ってみても、なんだかこれまでとは様子が違うことが読み取れます。一体、Tim Cook CEOは、何をしに来日したのでしょう?そのヒントは、最初の発表文の中にあります。

この発表の冒頭にあるのは「この5年間でAppleが1,000社近い日本のサプライヤーネットワークに1,000億ドル以上を投資してきた。」「日本で合計100万以上の雇用を支えている。」「GIGAスクールの取り組みを通じて、日本の未来のリーダーとクリエーターの育成を手助けしている。」「2003年に米国以外で初のApple直営店がオープンした。」「日本中のAppleのサプライヤーが再生可能エネルギーの使用を加速するための一層大規模な取り組みを支援する。」についてです。

Iimura

そして最初のヒーロー画像は熊本県立大学の飯村伊智郎教授の授業風景です。

Wariai

文部科学省が公開する「GIGAスクール構想の実現に向けた整備・利活用等に関する状況について」の「端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)」を見ると「ChromeOSが40.0%、Windowsが30.9%、iOS(iPadOS)が29.1%」という割合になっている状況で、AppleのiPad導入シェアは3位という状況なのが分かります。

GIGAスクール構想の端末導入予定数98%の結果なので、これからシェアが伸びる可能性はほとんどありません。

この状況を踏まえ、2022年10月にGoogleのサンダー・ピチャイ CEOが来日し「日本社会の更なるデジタル化に貢献するために 〜インフラとデジタル人材の育成に投資するデジタル未来構想」と「誰一人取り残されないデジタル化」に向けて Google が取り組むデジタル人材育成支援」を発表します。

JP Pixel Watch

わざわざサンダー・ピチャイ CEOが来日し、日本においてPixel 7、Pixel 7 Pro、Pixel Watchの展開を強化するだけでなく、インフラや教育など日本において投資を積極化することを示しました。

JP PM Kishida

この発表の中には、日本のネットワーク インフラストラクチャに、総額1,000億円を投資するという手土産を持って、岸田首相を表敬訪問したことが盛り込まれています。

この発表のキーワードは「1,000億円」という数字です。

この発表が行われて直ぐ、Appleも来日する計画を始めたと考えられます。

そして、2022年11月には、約4年振りにMicrosoftのサティア・ナデラ CEOが来日し「マイクロソフト 会長 兼 CEO サティア ナデラ 来日、「Do more with less (より少ないリソースでより多くのことを実現)」を提唱」を発表します。

Microsoft01

このイベントでは、Microsoftは、36年以上前から日本で事業を展開していて、アジアは 2050年までに世界の GDP の半分を生み出し、2030年までに全研究開発投資の半分以上を占めるようになると予測されるなど、イノベーションとリソースの集積地だと説明しました。

このイベントでは、日本における開発者、スタートアップ企業、各業界のエコシステムをどのように支えているかについて紹介するブースが設けられ、日本国内や世界の人々の生活に変化をもたらすイノベーションを進めている開発者やスタートアップ企業と意見交換が行われました。

Microsoft02

このイベントには、2019年12月にTim Cook CEOが来日した時に会っている日本のITエヴァンジェリスト若宮 正子さんも招待されています。若宮さんは最高齢iPhoneデベロッパーデビュー者として知られていますが、それより以前にMicrosoft Excelを使った塗り絵アート「エクセルアート」を考案した人物としてMicrosoftから評価されています。

Appleとしては、GoogleとMicrosoftの2社の発表を追撃するために「日本への投資を手土産に岸田首相と面会する事」「日本の雇用に貢献している事」「Appleのテクノロジーを活用しているスタートアップを支援する事」などを含める必要性が生じます。

今回の来日は、Appleにとって日本における大きなマーケティング戦略となるため、マーケティングのトップであるAppleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントGreg Joswiak氏が同行しているのはそのためです。

Appleは、GoogleとMicrosoftとは異なり、企業活動に関する報告を行うブログのような掲載システムが備わっておらず、それらを補うためにTim Cook CEOと、Greg Joswiak氏のTwitterアカウントからのツイートという方式に加え、非常に細かく発表内容に関連したTim Cook CEO訪問とした取材記事が公開されています。

Tim Cook CEOのツイート数は2019年12月来日時よりも数が多く、その背景には、米Twitterのイーロン・マスクCEOが2022年11月21日に開催した全社会議で「Twitterは米国中心のように見えるかもしれないが、どちらかといえば日本中心だ」と語ったと伝えられているように、日本向けにTwitterを積極的に使うことは理にかなった行動です。

Timecooksyusyo

Tim Cook CEOは岸田首相と面会し、握手を交わす様子を自身のTwitterアカウントでツイートしています。

Googleの発表のキーワードである「1,000億円」に対して、Appleは「1,000億ドル」(約13兆6000億円/12/18時点)という数字で対抗しています。

また、Googleのデジタル人材育成を支援する取り組みや、Microsoftのスタートアップ支援などに対抗するため、Appleは「App Store Foundations Program」を日本にも拡大することを発表します。

GIGAスクール構想の入札端末指定3社のうち最後となったAppleは、GoogleとMicrosoftの発表に対抗するミッションを5日間で行ったと考えています。

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DANBO

DANBO

ガジェタッチ最高顧問

Apple関連のニュースやオリジナルスクープなどを多く発信するMACお宝鑑定団の主宰。食べログでは数々のレストランレビューを執筆。Tabelog Reviewer Award 2022 BRONZE受賞。現在、食べログ愛知マスターであり、栄養士資格所有。Gadgetouch最高顧問。

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