※「LOOP THE LOOP 第一幕 飽食の館」よりスクリーンショット
弓月ひろみです。半ば強制的に自宅に引きこもらざるを得ない今日この頃、皆様いかがおすごしでしょうか。8月とはいえど、夜は少しずつ、涼しい風が吹くようになって来ましたね。夏の終わりと言えば読書よね、ということで、今日は「アプリで楽しめる長編小説(サウンドノベル・ビジュアルノベル)」のお話です。
Podcast#42の中でお話したことなのですが、私が数年前からハマっているアプリがあります。その名も、「LOOP THE LOOP」、通称LTLシリーズ。
PC・スマートフォン向けノベルゲーム制作サークル「sweet ampoule(スウィートアンプル)」の作品で、現在第八章まで公開されています。ストーリーもBGMも、イラストもアニメーションも全てオリジナル。三度舞台化されて、累計200以上ダウンロードされている名作です。
ちなみに、sweet ampoule(スウィートアンプル)さんは、4人から成る、PC・スマートフォン向けのゲームを作っている自主制作チームなのだそうで、会社ではなく、それぞれ、仕事や家事などの合間に制作を行っているんだとか。それでこのクオリティなのか…
iPhone、Android、Windows版が用意されており、初版リリースは2009年、なんと11年前です。スマホ版は2011年の5月リリースだそう。私が最初にこのシリーズを読み始めたのはiPhone3GSの頃だったと思うのですが、当時アプリランキングでも上位にいたので「覚えてる!!」という方がいるかもしれませんね。
「LOOP THE LOOP」は、ミステリーでありサスペンスの要素をもった小説です。ただ、現実世界で起こる出来事ではなく、『何でも手に入る』という、不思議館で起こる殺人事件を描いたお話です。
本当は「こういうポイントが…」という解説をしたいところなのですが、少しでも伝えてしまうと、この話のキモがバレてしまう&純粋に楽しめなくなってしまうと思うので、とにかく私がいいたいことはひとつ、
読んでみて。
だって、無料なんだもの。全部無料なんだもの!!
ビジュアルノベルなので、選択肢が出てくるわけではなく、アニメーションや音楽と共に物語が進んでいくのみ。ちなみに、このお話、舞台が「不思議な館」なので、精巧なトリックを好む方には向いていません。SFやファンタジーにおける”世界の大前提”を理解し、それを念頭に読み進められる人が向いてします。
なお、途中で投げ出してしまう人がいるともったいないので、ファンとして伝えておきたいのは、第一幕は、”LTLシリーズの大前提”を説明する回だということ。だから、ストーリー前半では、やや説明過多に感じるかもしれません。キャラクターに関しても、登場人物が12人の背景や生き様、喋り方から個性まで、一人ずつ解説されるので、読み込むのが面倒になるかもしれません。
が。
ここをしっか読んでおけば、後半いきなりスピードアップする展開をめっちゃくちゃ楽しめるので、是非飛ばさず読んでいただきたい。ほら、ハリーポッターでも一作目はまず、世界観と状況とアイテムを理解するのに時間かかるでしょ? あれと同じです。
あとは、血の描写があるのは無理!!という方、そもそも惨殺系はほんとちょっとでも無理!!という方は、読むのを控えていただけばと…。(ここだけはどうしようもない…)
ただ、本家の解説にもあることなのですが、この作品は”惨劇の中に大切なものの存在に気づくビジュアルノベル”。スポットは「人間」に当てられています。もし自分が不思議な館に迷い込んだら、一体どうするか、この空間の中で自分ならどう生きていこうとするか、人との絆とか、友情とか、大切にしたい気持ちとか、それでもエゴをとかそんなことを考えさせられる作品なんです。
第一幕をクリアしたあと、第二幕を読むと、「あの発言の意味がこうだったのか」と理解できたり、”この世界の大前提”についての説明の意味や裏がわかってくるという仕掛けも。
私は主にベッドの中で読んでますが、まあ気づいたら朝になってしまうパターンがほとんどです。かといって、昼間読むと帰って来れなくなる(現実に戻ってこれなくなる)ので、気をつけてください。
以前は章ごとにアプリが分けられていたのですが、今は下記の作品が一本にまとめられています。
●第一幕「飽食の館」
●第二幕「飽食の館ep.0」
●第三幕「錯綜の渦」
●第四幕「錯綜の渦ep.0」
●第五幕「芸術家の庭」
まずはこの作品をダウンロードして、LTLの世界にどっぷりハマッていただければと。
漫画化・ノベル化もしていますので、アプリじゃなくてアナログで読みたいよってひとはこちらをどうぞ。
あまり外に出られない夏ですからね、どっぷりハマって楽しみましょう。
私の推しはもちろん(!!!)タクトとレイ様です。