Appleは5月24日、Today at Apple Creative Studiosの取り組みを拡大する計画を発表しました。
このキーワードの冒頭にある「Today at Apple(トゥデイ・アット・アップル)」は、誰もが無料で受けられるワークショップのこと。通常はApple直営店ならびにオンラインで開催されています。
iPhoneでの写真撮影のコツや動画の編集、iPadでのイラストの描き方など、多岐に渡り、直営店での買い物中に、見かけたことがある方も、多いのではないでしょうか。
これを拡大し、定期的な「学びのプログラム」として発展させたのが「Today at Apple Creative Studios(クリエイティブ・スタジオ)」です。2021年は、ロサンゼルス、北京、バンコク、ロンドン、シカゴ、ワシントンD.Cで開催されましたが、2022年は新たに、ナッシュビル、マイアミ、ベルリン、ミラノ、台北、シドニー、そして東京の7都市が追加されることになりました。
地域に根ざした非営利団体と協力したプログラム
このプログラムの特徴は、その地域に根ざした非営利団体と協力していること、そして機会に恵まれない若手クリエイターを業界のプロフェッショナルと結びつけていくものである、ということ。
学校や社会に馴染めない若者にとっては、絶好のチャンスとなり得ます。参加すると、制作に関するスキルやトレーニングが提供されるほか、Apple製品の貸出も受けられます。
この取り組みで特に素晴らしいのは「ショーケース」が設けられる点でしょう。このプログラムを通して完成した作品を、展示・掲示する場所が用意されるのです。実際、昨年の参加者の中には、Apple Musicに楽曲をアップロードし販売を開始したクリエイターもいます。
学校や社会に馴染めない若者と言っても、その形や現状はさまざまです。世界中でこのプログラムを開催するにあたり、Appleが「地域に根ざしたコミュニティ」との共催を掲げているのは、単なる技術の押し付けではなく、その人にとっての最適なゴールを見据えているからだと考えられます。
私は2004年頃より、若者や社会人に向けて、そして海外でのデジタルアートのワークショップやアートイベントの開催に携わってきました。その活動の中で得たのは「学ぶだけでなく、形にすることの大切さ」です。
発表の機会があるということはイコール、作品を通して人との関わりを作れるということ。単なるクリエイティブのスキル習得だけでなく、他者とのコミュニケーションの中で、自分の世界観を発揮できることは、将来プロとして活動するための足がかりになるでしょう。
もし結果的にクリエイターの道を選ばなかったとしても、その過程で得た経験は、変え難いものになるはずです。
なお、東京での参加枠は15名、プログラムは4週間に渡って開催予定とのこと。
一部の都市のApple Store直営店では一般向けのToday at Apple Creative Studiosセッションも開催される模様です。Creative Studiosで若い参加者のメンターを務める定評あるアーティストやAppleのCreative Proが講師となり、一般公開されるそうなので、私たちもこれを楽しみに待ちましょう。
・AppleはToday at Apple Creative Studiosを拡大し、若手クリエイターに新たな機会を提供します