1月28日はデータプライバシーの日。この日に合わせて世界中のApple Storeで新しいToday at Appleのセッション「スキル:iPhoneでプライバシーを保護しよう」が開催された。今回初日にApple丸の内で行われたこのセッションを取材することができた。
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このセッションでは、iPhoneのプライバシーやセキュリティーについて設定を確認しながら、どういった情報が保護されているのか、何を設定できるのかを学んでいくことができる。
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iPhoneでよく使うSafariは、ウェブサイトを遷移する時に、ユーザー情報を引き継がせないようになっていたり、Walletアプリでは保存されているクレジットカード情報を購入サイトに提供することなく買い物ができるようになっているなど、常に使うものは設定しなくてもユーザーの個人情報は安全に保護されるように設計されている。
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その点を踏まえつつ、ユーザーの個人情報に関わる「パスワードとパスキー」「メールプライバシー保護」「位置情報サービス」「アプリのトラッキングの透明性」「個人情報安全性チェック」の5つのテーマで、それぞれの設定方法を確認しつつ、実際にどういったケースでユーザー情報が利用されているのかを確認していった。
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「パスワードとパスキー」では、自分がサービスサイトなどで入力したパスワードが保管されている場所。さらにiOS 16からの新機能パスキーの保存場所についても解説が行われた。パスキーについては、サービス側が対応しなければならないため、まだ使えるケースは少ないが、パスワードを入力するよりセキュアな環境を構築できるため、今後の対応サービス拡大が期待されるところだ。
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「メールプライバシー保護」では、メルマガなど様々なメールを介してのサービスを使っているときに確認したい項目だ。設定アプリ>メール>プライバシー保護と進むと「”メール”でのアクティビティを保護」というボタンがある。これをオンにするとIPアドレスが非公開になり、差出人がユーザーのアクティビティを追跡することを困難にすることができる。
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「位置情報サービス」は普段天気アプリを使っている人にとっては、とても馴染み深い機能だ。アプリを開くだけで、自分のいる場所の天気情報がわかる。これは設定アプリにある”プライバシーとセキュリティ”という項目にある”位置情報サービス”から確認することができる。
もちろん他のアプリでもこの位置情報サービスを使うものはたくさんあるが、アプリごとに位置情報自体を利用するか、どのタイミングで利用するかを確認・設定することができる。位置情報サービスをまったく使いたくない人は全てをオフにすることもできる。
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最後の「個人情報安全性チェック」もとても重要な項目だ。もし、DVや虐待など個人の安全が危険に晒されている場合に、iPhoneを探すやサードパーティ製アプリの共有機能など、素早く自分に関する情報の共有を停止することができる。もちろんそれ以外にも、人ごとやアプリごとに共有状況を確認したりアップデートしたりすることができる。
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ここで一番重要な部分は、ユーザーがこういった設定をいつでも選ぶことができるという点。Appleは以前からプライバシーは基本的人権と位置付け取り組みを続けており、ユーザーが意図しない形で外部に情報を提供することはしない。あくまで個人情報はユーザー自身のものなので、選択できるというところが非常に重要なのだ。
この辺りもセッション終了後参加した人に、「これだけ細かく設定できるということは知らなかった」「あとからでも設定を変更できるのはとてもいいこと」という話を聞くことができた。
Today at Appleはどちらかというと実際のiPhoneの使い方やクリエイティブを学ぶという部分が多かったと思うが、こういったプライバシーにフォーカスしたのはとても新鮮だった。個人情報の漏洩が問題になる昨今、安全であることはもちろんのこと、目には見えないプライバシーや個人情報が、自分のiPhoneからどういう流れで外部のサービスに提供されているかなどを理解することにはとてもユニークなセッションだと感じた。
今後も定期的にこのセッション「スキル:iPhoneでプライバシーを保護しよう」はApple Storeで行われるので、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。