最近海外で話題になっているスマートフォンをご存じでしょうか?中国のシャオミが発売した「Xiaomi 12S Ultra」です。Gadgetouch読者の方々はここで「あー、中華ね」「シャオミ興味ないよ」と、ここで他のページに飛んでしまうかもしれません。
しかしシャオミを知らずして世界のモバイルの動きを知ることはできません。あなたの知らないところでシャオミはすでに世界市場を動かす存在になっているのはまぎれもない事実なのです。
スマホカメラの頂点とも言える性能
Xiaomi 12S Ultraは中国国内でしか販売されていません。しかしそのカメラ性能の高さから日本を含む世界中のマニアがこぞって買っています。カメラの特徴は2つ。
- 1インチセンサー(ソニーIMX989)を搭載
- ライカとコラボ、ライカモードで撮影可能
実は1インチ&ライカコラボと言えば日本でシャープのAQUOS R7が出ています。では両者のデザインを比較してみましょう。
まずはAQUOS R7
そしてXiaomi 12S Ultra
どうでしょうか?Xiaomi 12S Ultraは「カメラ」を意識したデザインです。シボのある背面などどう見てもカメラ、大きい円形ガラスはレンズのようで、縁はゴールドでモールドされています。もちろんシャープもがんばって高級感を出そうとしていますが、これをパッと見ても「1インチセンサー搭載」という印象は受けませんよね。
シャオミは「ライカの名前」に恥じぬよう、あえてカメラ部分を大型のガラスで覆う大胆なデザインにしているわけです。なおAQUOS R7は「LEITZ」、Xiaomi 12S Ultraは「LEICA」の表記となっています。
さて今回はこのXiaomi 12S Ultraの魅力を伝えたいのですが、その前に、今やスマートフォンは単体で使うものではなく、スマートウォッチやPCなどと合わせたエコシステムの一つとして連携させることが当たり前です。Apple製品を使っている人にとって、アップル以外のスマートフォンの連携は面倒なもの。しかしXiaomi 12S Ultraのカメラはその欠点を感じさせないほど心地よいのです。「単体のカメラ」と考えちゃってもいいんじゃないのか、と思えるほどです。
実は自分もXiaomi 12S Ultraを購入する前は「買ってレビューしたら(金欠だし)売却しようかな」と思っていたのです。しかし購入して手にした瞬間からその思いは消えてなくなりました。ちなみに自分は生粋のサムスン「Galaxy Note」ユーザーです(初代から使っている)。ここで間違ってほしくないのは「Androidユーザー」ではありませんw。ペン入力できないスマートフォンしか自分は使いたくないのです。ペンが使えなかったらiPhoneだろうがXperiaだろうがファーウェイだろうがどれも同じ。仕事にもプライベートにも役不足です。現在はペン入力に対応した折りたたみ型の「Galaxy Z Fold3 5G」をメインに使っています。
単体カメラとしても使いたいライカ&1インチセンサーの魅力
しかし「1台で何でもできる」スマートフォンなどこの世に存在しません。だから複数のスマートフォンを常に持ち運んでいるのです。Xiaomi 12S Ultraは自分にとって「ライカ画質のカメラ」として持ち運んでいます。なのでグーグルサービスがどうした、なんてことはどうでもいい問題。注釈すればXiaomi 12S Ultraは中国モデルなのでグーグルサービスは乗っていません。
Xiaomi 12S Ultraはとにかく1インチセンサーによるナチュラルなボケがすさまじく、他のスマートフォンのデジタル的なボケ処理には戻れなくなります。またライカモードとコンピューティショナルフォトグラフィーモードの切り替えもワンタッチです。まあ自分はそこまでカメラの画質にこだわってはいないのですが、風景を両者で撮り比べてみて、自分の気に入った絵を使う、といったことができるのが楽しいですね。
一方で夜景モードはかなりギラギラとした仕上がりで「いかにもスマホの写真」という感じになるため、ここもライカモードにして少し落ち着いた仕上がりにする、といった調整もできます。
ところでAQUOS R7は1インチのメインカメラしか搭載していないので「寄れない」のですが、Xiaomi 12S Ultraはウルトラワイドも搭載しており、さらに高倍率望遠も搭載しています。実はAQUOSのほうが「カメラ」にこだわっており、1つのカメラであれこれしようとユーザーに提案していますが、今どき食事や遠景を撮影できないなんて物足りないですよね。Xiaomi 12S Ultraはライカのカメラを歌いながら、実は普通のハイエンドスマートフォンのように、自在にカメラを使うことができるのです。
Xiaomi 12S Ultraの価格は中国で5999元(約12万円)から。本体カラーは今回紹介したブラックとグリーンの2色。
自分は現在、外観をスポイルしないシャオミの純正ケースをつけ、さらにライカのレンズキャップを取り付けるという自己満足的な使い方をしています。今やハイエンドスマートフォンであれば写真がきれいに撮れることは当たり前。Xiaomi 12S Ultraは「いい景色に出会ったから、(記録ではなく)記憶を残そう」なんて気持ちにさせてくれるのです。