Apple Storeで毎日開催されているToday at Apple。学んだり、作ったり、インスピレーションをもらえる実践的なセッションの数々が、無料開催されています。
10月27日(木)、Apple丸の内で、Today at Apple「デザインラボ・板坂諭に学ぶビジネスに活かせるデザインコンセプト」が開催されました。板坂諭さんは、株式会社「ザ デザインラボ」主宰で建築やプロダクト等の分野で幅広く活躍するデザイナーです。
建築やプロダクト等の分野で幅広く活躍するデザイナーの板坂諭がデザインコンセプトがもたらす可能性を創造的なアプローチで手ほどきします。製品や空間のデザインコンセプトがもたらすシンプルで包括的な考え方を身につけましょう。セッションでは、iPadのメモアプリとPagesを使ってテーマに基づいた製品デザインをスケッチし「デザインコンセプト」を通してビジネスアイデアを生み出す方法を学びます。
このイベントは、DESIGN & ART FESTIVAL「DESIGNART TOKYO 2022」の一環として行われたもの。ナビゲーターはAppleの「アツ」さんです。
まずは板坂さんの代表作の紹介からスタート。
「新しいものを作り出すことの、さらに上のレイヤー。コンセプトを重視して作っていこうと心がけています。プロダクトを作る時はコンセプトありきで活動していますね」
「カバンを作った時にでてしまうあまり部分を使ってものが作れないかという相談を受けて作ったものです。壊れたプロダクトに貼ったり、傷ついたiPhoneの後ろに貼る、と言う使い方ができます。そうすることで、私は傷ついたからと言って捨てませんよ、魂がありますよ、治療してあげたい気持ちがありますよ・・・と言う心を表現できます。こうやって見せていくことが、サスティナブルな生活に繋がるのでは、という発想から作りました。」
右の食器は「工場の中で処分されてしまうかもしれないものを、もう一度価値のあるものにするというコンセプトで作った」とのこと。
こちらは南極になる巨大な棚氷「ラーセンの棚氷(Larsen Ice Shelf)」のうちの一つ、「ラーセンC」をイメージした歯ブラシ立てです。ラーセンCは、気候変動の結果としてしばしば取り上げられるテーマですが、こうして毎日のルーティンの中に、さりげなく環境問題を思い出せるデザインコンセプトを潜ませると言うのが良いですね。おしゃれなだけじゃない、考えさせるデザインです。
こちらは「オールチェア」。実は、全てのパーツを開くとフラットになる仕組みで、輸送コストを削減できるデザインの椅子です。Appleのアツさんは「AppleはiPhone 12からパッケージを一回り小さくして輸送コスト削減に務めました。サスティナブルを重視しながらものを作るというコンセプトが似ていますね」と語りました。また「実はiPhone 14の側面のアンテナ部分には廃棄プラスチックを再利用している」エピソードに触れ、デザインの美しさとサスティナブルな生活の共存は可能であることを示していました。
後半は、ワークショップ形式です。板坂さんからは題材として「椅子」、テーマとして「Together〜融合する好奇心」が与えられました。参加者にはiPadが貸し出されていますが、全て、発売したばかりのM2搭載 iPad Pro 11インチでした。板坂さんもiPadのメモアプリを使い、同じテーマで書き込んでいきます。
参加者も、自らのアイディアをiPad Proに書き込んでいきます。ビジネスに活用することを目的としたワークショップだけあって、座席のほとんどは社会人のようです。みなさん慣れた手つきで一心不乱に書き込んでいました。
今回は「ビジネスに創造性を」というテーマのため、冒頭にはApple Storeのビジネスチームも登場。法人の製品購入について聞きたいことがあれば、スタッフに声をかけて欲しいと参加者に話していました。Today at Appleに参加したことをきっかけに、社内へのiPad導入を進めるケースもありそうですね。
記事内で紹介した、板坂さんの作品の一部は、DESIGNART Tokyo、ワールド北青山ビルで11月30日まで展示されているとのこと。芸術の秋、サスティナブルな心をやしなうデザインに触れてみるのも良いかもしれません。