Appleは4月5日、製造パートナーの再生可能エネルギーへの対応が昨年より30%近く増え、世界中で13.7ギガワットに拡大したと発表した。
これは、昨年1,740万トンの二酸化炭素排出を回避したことになり、道路からおよそ380万台の自動車を取り除くことに匹敵する数字だ。
Appleは、2018年に発表したAppleの全ての施設で100%再生可能エネルギーにすることを2020年達成。その後、2030年までにサプライチェーンも含む全てでカーボンニュートラルを達成するという大きな目標の打ち出したが、その実現に向けて着実に動いている。
今回の発表では、28か国で事業を展開する合計250社以上のサプライヤーが、2030年までにApple関連のすべての製造に再生可能エネルギーを使うことを確約。これはAppleの直接製造に使用されるエネルギーの85%以上に相当し、20ギガワット以上となる。
日本でも、Appleのクリーンエネルギープログラムに参画しているサプライヤーの数が過去2年間で3倍に増え、太陽誘電やローム、NISSHAなどの製造パートナー34社が、Apple関連の製造に関して100%再生可能エネルギーを調達することを確約している。
また、Appleは日本企業以外では初めて、日本気候リーダーズ・パートナーシップに参画し、コラボレーションを通じて、手頃に調達できるクリーンエネルギーのより幅広い導入を引き続き共同でサポートしていくことを明らかにした。
もちろん日本だけではない。ヨーロッパでは30社の製造パートナーがクリーンエネルギーに取り組んでおり、中国でも、70社近くのサプライヤーが100%再生可能電力に取り組んでいる。韓国でも同様の動きがあり、グローバル製造パートナーがAppleと歩調を合わせている。
Appleはいち早くカーボンニュートラルを掲げた企業の一つだ。多くの企業や国が2050年までに達成するという目標を立てているが、それより20年早い2030年をターゲットにした。当初その目標が発表されたときは、あまりの期間の短さに本当に実現可能なのか?とも思ったが、この数年の動きを見れば十分に実現可能なことがわかってくる。
Appleは、製品のローカーボンデザインやエネルギーの効率性を高める取り組みを実施すること、そしてグリーンボンドも含めた革新的なツールを使うことで活動を進めている。
さらに、この目標達成に重要なのが、製造パートナーとの協調だ。Appleはクリーンエネルギーアカデミーを通じて一連の無料学習リソースとライブトレーニングを製造パートナー向けに提供している。Appleも一緒になって課題解決に取り組むことで、目標達成に動いている。
2030年までは7年を切ったが、着実にその歩みを進めている。もちろん課題もまだ多くあるだろうが、収益を上げながらカーボンニュートラルが実現することが実証されることの意味は、今後の世界の環境への取り組みとしても大きな意味を持つのではないだろうか。