Appleは5月16日、日本で「iPhoneのタッチ決済」の提供を開始したことを発表した。
この「iPhoneのタッチ決済」は、アメリカで2022年にスタートした「Tap To Pay on iPhone」と呼ばれるもので、対面での非接触決済にiPhoneだけで対応することができる仕組みだ。
日本では、GMOフィナンシャルゲートのstera tapアプリ、リクルートのAirペイタッチアプリ、そしてSquareのSquare POSレジアプリが、事業者にiPhoneのタッチ決済を提供する。
今回、実際に「iPhoneのタッチ決済」を利用している日本橋にあるドーナッツショップ「Sweetie shop GRANDPA」を取材することができた。
オーナーの三上龍馬氏は、この「iPhoneのタッチ決済」の導入によってオペレーションの簡略化ができ、混雑時にもお客さんの待ち時間が減っていると話す。
今までは注文をiPhoneで入力、専用の決済端末に接続、決済という流れで行っていたオペレーション。この決済端末の接続に数十秒かかることもあったそうだが、「iPhoneのタッチ決済」ができることで、常に身につけているiPhoneですぐ決済ができるので非常にスムーズになったという。
実際には、お客さんから注文を受け、その場でiPhoneのアプリで注文を入力、そのまま決済が可能なので非常にスピーディーに行え、お客さんの待ち時間も減少するという効果があるそうだ。
イベント出店など、場所に左右されず手持ちのiPhoneだけ持っていけば決済端末として利用できることも大きなメリットだと語る。
また、操作性もいつも使っているiPhoneなので迷うこともなく導入に対してハードルもなかったようだ。
iPhoneのApple Payはもちろん、アメリカンエキスプレス、JCB、Mastercard、Visaを含む大手決済ネットワークの非接触決済のクレジットカードとデビットカード、その他のデジタルウォレットにも対応しているので、外国人観光客が増えている昨今、「iPhoneのタッチ決済」を導入することでiPhoneを持っていれば追加費用なしにこの需要を取り込むことができるようになるのも大きなメリットと言えそうだ。
なお、「iPhoneのタッチ決済」で行われたすべての取引はSecure Elementを利用して暗号化の上処理され、Apple Payと同様、購入内容や購入者などの情報をAppleが把握することなくセキュリティも万全だ。
僕も実際にドーナッツを買って決済を試してみたが、非常にスムーズに決済を行うことができた。決済金額がわかりやすく表示されるので、安心感もあった。
また、これを導入することで今までレジに行ったり、決済端末を持ってこなければできなかった決済が、スタッフそれぞれのiPhoneで決済を完了させることができるので、例えば今まで百貨店で買い物をする場合、決済の時にクレジットカードを渡し、裏に持っていき見えないところで決済が完了されるというパターンも、目の前で決済を行うことができるので、よりスムーズになり、セキュリティの心配もなくなると思うので、個人的には導入が広がって欲しいと思う。